Kanazawa Institute of Technology Applied Ethics Center for Engineering and Science / 金沢工業大学科学技術応用倫理研究所

研究成果

科学研究費補助金・助成事業研究

【研究種目】基盤研究(B)
【研究課題名】 国境なき技術者倫理教育の構築
-グローバル化社会を担う技術者の資質とその教育-
【研究期間】平成25-27年度
【研究代表者】札野 順
【研究目的】 国際的な共同研究を展開することにより、グローバル化する社会に対応した技術者倫理教育のモジュール型教材の基本設計と試作、および、測定・評価方法に関する試行的検討を行なう。同時に、本課題の成果を基盤として、グローバル社会において「国境なき技術者倫理」に関する基礎研究・教育開発・改善を継続的に推進することができる国際的な共同研究コミュニティの拠点を我が国に構築することを目指す。
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究課題名】「幸せ」を目指す技術者倫理-科学的知見に基づく技術者倫理原則の検討-
【研究期間】平成25-27年度
【研究代表者】札野 順
【研究目的】 なぜ技術者は倫理的であらねばならないのか、なぜ技術者は特別の責任を負うのか。この問いに対して伝統的な責任論や義務論を越えて、心理学的根拠に基づいた「新」功利主義的(技術者個人の「幸せ」と公衆の「幸せ」を最大にする)な解を提供することを目的とする。最新のポジティブ心理学(positive psychology)の知見と手法を活用することにより、技術者倫理の第一原則である「公衆の安全・健康・福利の最優先」を堅持することができる「倫理的な技術者」が、実際に「幸せ」(すなわち人生に対する主観的満足度が高い)であることを示す。この心理科学的に実証可能なデータを基盤として、社会・文化・宗教などに縛られない、国境を越えて技術者を「幸せ」にすることができる技術者倫理の構築を目指す(本研究は宗教団体とは一切関係がない)。
【研究種目】基盤研究(C)
【研究課題名】企業の中間管理職の倫理的問題の解決手順についての研究
【研究期間】平成23-25年度
【研究代表者】岡部幸徳
【研究目的】 倫理的問題解決に関する我が国の研究は、大企業のトップマネジメントを対象とした意思決定が中心であり、大企業の中間管理職の倫理的問題の解決についての体系的研究は国内ではなされていない。本研究は大企業の「中間管理職」層の実務レベルにおける倫理的問題解決のための行動に焦点を当てる。それらを解決する為の仕組みであるヘルプラインや倫理担当窓口などへの相談を活用し、そこに寄せられた問題について解決する立場にある管理職に焦点を当て、倫理的問題解決の意思決定までの過程と行動設計を明確にし形式知としての手順化を目指す。
【研究種目】基盤研究(C)
【研究課題名】記述に根ざした技術の現象学的研究:技術の記述的探求と批判的視点の確立
【研究期間】平成25-27年度
【研究代表者】金光秀和
【研究目的】 技術が新しい行為の形を生み出し、社会のあり方を大きく変える現代において、技術のあり方に反省的な眼差しを向けることのできる批判的視点が求められている。特に、東日本大震災とそれに続く福島第一原子力発電所事故を経験した今、一層そうした視点が求められている。本研究の目的は、(1)技術への批判的視点を哲学的に確立し、技術の可能性の条件を問うこと、(2)その前提として、技術の営みを言語化・明示化すること、(3)特に、その一部として、今回の福島第一原子力発電所事故を、その背景にある日本の規範意識などを含めて、事柄に即して記述すること、(4)これらを通して、日本における技術哲学そのものを進展させ、それを実際の教育(技術に関する教養教育、科学教育、技術者倫理教育)に反映させることである。
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究課題名】 近現代科学史資料のアーカイブ化に関する研究
-坪井誠太郎地質学史資料の分析から-
【研究期間】平成24-26年度
【研究代表者】栃内文彦
【研究目的】 社会が科学技術に高度に依存するようになった今日,科学や技術の営みそのものについて研究することの重要性が増している。近現代科学史研究の果たす役割は特に大きいが,歴史になり切っていないがゆえに,資料を体系的・効率的に収集・保存する方法論が確立されていない。
本研究の目的は,その方法論の確立に向けた実践的考察を行うことである。具体的には,研究代表者と東京大学大学院情報学環社会情報研究資料センターのアーカイブ学の専門家らが進めている,同センター収蔵の地質学者・坪井誠太郎に関する資料の分析を通して,科学史研究に資するアーカイブの要件の明確化と,得られた知見を活かした坪井誠太郎資料アーカイブの試験的構築を目指す。
【研究種目】基盤研究(B)
【研究課題名】 グローバル社会における技術者倫理に関する実証的比較研究
-行動規範構築と教材開発-
【研究期間】平成24-27年度
【研究代表者】栃内文彦
【研究目的】 社会のグローバル化が進むにつれ,組織の中における技術者の役割や意思決定のあり方が国や文化圏によって異なることが,深刻な問題を引き起こすようになっている.しかし,このことを踏まえた国際的な視野を持つ技術者倫理教育のための事例教材はない。
本研究では,日米欧における技術者倫理教育の現状の検討を通して各地域の倫理綱領の特色や価値観を把握した上で,同一の事例について,各地域の工科系学生(および,可能であれば技術者)がどのように意思決定するかを実証的に比較する.そこからテキストマイニングなどの統計的手法を用いながら共通点・相違点を抽出し,グローバル社会における技術者倫理の行動規範の原案作成,および,これらを学ぶことのできる事例教材開発を目指す。
【研究種目】基盤研究(C)
【研究課題名】授業アンケートの共同実施による技術者倫理教育の実質化・高度化の研究
【研究期間】平成23-25年度
【研究代表者】大来雄二
【研究目的】 工学系の高等教育で重要視され始めた技術者倫理科目において、共通アンケートを共同実施し、結果を共同で評価分析することにより、授業内容、授業方法などを具体的に改善する。また、技術者倫理科目の到達目標と有効な到達手段の関係を明確化し、広く公開する。共通アンケートのデータをデータベース化し、希望する関連教員が自らの授業評価、改善を継続的におこなえる運用の仕組みの構築も行なう。
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