PERMA-Profilerの受検
PERMA-Profiler日本語版
カーン博士と金沢工業大学心理科学研究所のメンバーが協議して,PERMA-Profilerの各項目の文章を適切な日本語に翻案(adaptation,通常の意味での翻訳ではなく,心理統計的な性質や文化的な要素を加味して,言語の違いを超えて等価性を目指して質問紙の項目文章を翻訳する場合,このような言葉を用います)し,心理統計的な検討を行い,再検査信頼性や妥当性の一部は既に確認され,心理統計的には実用に耐えるものであると考えられます。しかし,開発途上にあるので,まだ,データを集積し続けています。
PERMA-Profiler KIT版
PERMA-Profiler日本語版と基本的には同じですが,PERMA-Profiler KIT版は3項目が加わり26項目の測度(心理検査)になっています。心理科学研究所がPERMA-Profiler日本語版を開発した当初の目的が,高等教育機関(大学や高等専門学校)の学生のウェルビーイングの測定であったので,大学(学校)に特化した領域のウェルビーイングの項目を付け加えたためです。このため,通常のPERMA-Profiler日本語版の測定する領域が9領域であるのに比べ,PERMA-Profiler KIT版は10領域を測定することになります。PERMA-Profiler KIT版もPERMA-Profiler日本語版と同様,心理統計的な検討を終え,実用に供するには十分だという証拠がありますが,同時にデータを集積して,さらに検討を加えていく段階です(2017年3月現在)
現在,高校生年代のデータを取得しておりませんので,高校生に対する知見はありませんが,高校生でも実施可能であると考えております。中学生に関しては文言(言葉の言い回し)をかなり変える必要があるのではないかと思っております。
※ 本学学生は学生ポータルから本学学生用のPERMA-Profiler KIT版が利用できます。
Workplace PERMA-Profiler日本語版(PERMA-Profiler職場版)
働く人にとって,職場のウェルビーイングも非常に重要です。職場で過ごす時間が長いのでそこでのポジティブ感情(P)は心理状態に影響を与えるでしょうし,仕事にどのように取り組んでいるか(E)かや,職場の人間関係(R)も重要です。また,お仕事の内容の認識はその人の人生の意味や意義(M)に大きくかかわってきますし,仕事上の達成感(A)も職場のウェルビーイングに大きな影響を与えるでしょう。
そこで,原版の作者のひとりであるカーン博士と協議し,かつ,東京大学医学研究科精神保健分野の先生方と協働して,職場版のPERMA-Profilerを開発することにしました。PERMA-Profiler日本語版と同様の23項目ですが,項目文章が職場や仕事に関するものになっているのが特徴です。かなり厳密な手続きを経て,日本語への翻案作業は終了し,比較的少数のデータを用いた分析では良好な心理統計的証拠が見出されています。現在,継続してデータを集積している段階です(2017年3月現在)。
(PERMA-Profiler職場版)
PERMA-Profiler 研究室版
働く人にとって職場のウェルビーイングが重要であるように,研究室で研究活動に取り組む学生さんにとっては研究室のウェルビーイングは重要です。そこで,研究室活動に焦点を当てたPERMA-Profilerを開発することにしました。現在,協力していただいている研究室の先生やその指導の学生さんを中心にデータを取得し始めたところです(2017年3月現在)。したがって,一般にはまだ公開していません。
※ 本学学生は学生ポータルから本学学生用のPERMA-Profiler 研究室版が利用できます。