所長挨拶
金沢工業大学 加齢医工学先端技術研究所所長 山口 照英
一方で高齢化に伴う様々な疾病に対して再生医療を適用していくには、いくつかの課題が存在している。 その一つが生きた細胞を用いる再生医療に特有な観点として、細胞や製造に用いる原材料に由来するウイルス等の感染因子に対する安全性確保である。 また人工的な培養環境や細胞加工による細胞の遺伝子的安全性の評価も重要な課題である。
ヒト細胞を有効成分とするための有効性評価における非臨床試験のデザイン、動物モデルの開発などが僅々の課題となっている。 そのために細胞加工技術の開発とその加工技術の有効性や安全性評価が必要とされている。
以上のような時代の要請にこたえる医療技術の基盤開発を目的として、加齢医工学先端技術研究所を設立し、これまでの本学の医工学進展の流れを加速させることが日本の高齢化社会に対する大きな貢献となると考えられる。 本研究所は、この社会的要請に応えるべく、医学的・生物学的技術の発展とともに、医学的・生物学的技術の発展に不可欠である工学技術の開発、ならびに実用化のための検査技術の開発を目指している。