研究所理念

産官学による共同研究と人材育成の拠点 地域防災環境科学研究所 (IDES)

防災
近年、自然環境の変化から、想定を超える自然災害が多発しています。
安全で安心して暮らせる社会基盤の再構築が要望され、地域基盤を支える建築・土木に関する災害の抑制が緊急の課題となっています。
環境
また、建築にかかわる環境の問題も重要な課題です。
省エネルギーや二酸化炭素の排出抑制に関する最適解は地域性を抜きに論ずることは出来ません。
地域
本研究所は、地方都市・地域社会が抱えている「防災問題」および「建築環境問題」を基礎研究および応用研究の両面から戦略的に解決することを目指します。



所長挨拶

 歴史都市「金沢」およびその周辺には、貴重な建築物や土木構造物が数多くあります。それらの一部は、往時に加賀百万石の礎を築き、今日まで豊かな文化を育むことに活用されています。一方、金沢を含む北陸では、山海の急峻な地形や厳しい風雪の影響を受けます。それが故に、先人から現代人まで世代を超えて、建設ならびに維持管理に関する工夫に満ちた技術が、開発・伝承されてきました。この様な地域特有の背景を意識した唯一無二の建築・土木に関する“ものづくり”と“ことづくり”を支援する施設として、「地域防災環境科学研究所」は存立しています。
 当研究所は、平成20年度「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の補助を受けて、平成21年3月に、延べ床面積が6046平方メートルで、鉄骨造4階建ての研究棟を竣工いたしました。最新の大型研究装置も設置し、時宜を得た研究を実施しています。
 例えば近年、甚大な自然災害が多発しています。したがって、市民が安全に生活するためには、建物や社会基盤において、あらゆる現象を想定した防災技術が必要となります。また、地球温暖化の抑制や生物多様性の保持、加えて3R(Reduce、Reuse、Recycle)による地域環境の保全も求められています。したがって、住宅・都市・国土に対する環境技術は、人類の持続的発展のために欠かすことはできません。さらに、インフラストラクチャ―の老朽化が社会問題になっています。したがって、市民生活の安心と快適を継続するメンテナンス技術も必要です。
 この様な建築・土木に関する諸問題を対象に、基礎研究から応用研究までを通貫して取り扱い、科学的な考察に基づく高度な技術情報を発信している場が、本研究所になります。特長は、産官学の研究者ならびに技術者が参加できる公募型の共同研究を、金沢工業大学のオープンリサーチセンターとして実施している点です。また分野を超えた、学際的な共同研究も推進しています。その成果として、汎用性が高くかつ国際的な研究成果が得られています。また、防災・環境・老朽化問題は、地域の特殊性に大きく依存いたします。そのため、それらの特殊性を反映した実践的な開発研究も、実績を残しています。
 引き続き本研究所は、多様な研究成果を上げ、社会の発展に寄与する所存ですので、皆様の温かいご支援・ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

地域防災環境科学研究所 所長
宮里 心一


研究所沿革

2008年
私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 補助を受ける。
文部科学省『戦略的研究基盤形成支援事業』採択事業
研究期間:H20年~22年度(3年間)
研究プロジェクト代表者 髙畠秀雄
2009年
3月 研究所 竣工(第1代所長 髙畠秀雄)
4月 IDES公開セミナー(金沢工業大学地域防災環境科学研究所講習会)開催
2012年
9月 シンポジウム「東日本大震災の教訓に基づく地域防災」
2013年
H25年度 文部科学省『戦略的研究基盤形成支援事業』採択事業
研究期間:H25年~27年度(3年間)
研究プロジェクト代表者 髙畠秀雄
2014年
1月 IDES公開セミナー CPDS(継続学習)のユニット付与開始
9月 シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策」
2015年
8月 研究報告会「南海トラフ巨大災害の実効性ある防災対策」大阪・名古屋 開催
9月 研究報告会「南海トラフ巨大災害の実効性ある防災対策」静岡 開催
2016年
2月 シンポジウム「南海トラフ巨大災害の実効性ある防災対策」大阪 開催
10月 IDES公開セミナー  建築士会CPD(継続学習)の認定単位付与開始
2017年
4月 第2代所長 宮里心一就任