建築アーカイヴス研究所

Research Institute for Architectural Archives

所長挨拶

日本の現代建築は、世界的な評価を得る建築家を多数輩出して、優れた成果を挙げてきました。現在、日本の建築がグローバルな評価を受けるにいたったのは、日本の近・現代建築が地道に積み上げてきた“蓄積”の上に成り立っていると言えます。

この蓄積の証となる建築作品の設計図書や設計図面などの建築関連資料は、まさに「公共の財産」であり、これらの資料を後世に伝えていくことは、今を生きる我々の責任であるといえます。ところが、現在、戦後の日本建築を創造してきた建築家たちが世代交代のときを迎え、これらの建築家が作成した建築関連資料が急速に失われつつある現状にあります。

そこで、金沢工業大学では2007年3月、日本建築家協会(JIA)と協同で「JIA-KIT建築アーカイヴス」を開設するとともに、これらの建築関連資料を収集し、保存、整理、調査、公開する役割の一翼を担うことになりました。そのようなJIA-KIT建築アーカイヴスの活動と並行して、これらの建築アーカイヴィングのための方法論的研究、地域における建築・都市文化の資料収集と研究を行い、同時にこのアーカイヴスに蓄積された資料を研究し、教育へと生かすため「建築アーカイヴス研究所」を立ち上げた次第です。

このような性格、内容を持つ研究機関は当研究所が国内初の試みとなります。当研究所の活動と成果を日本における建築アーカイヴス分野の発展へとつなげ、さらに世界の建築アーカイヴス分野の発展へとつなげ、さらに世界の建築アーカイヴとの交流に寄与するとともに、より多くの人々に建築・都市の魅力を感じ、理解してもらうための社会的風土づくりに貢献していく所存です。

写真欄
所長 山崎 幹泰  
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