Kanazawa Institute of Technology Applied Ethics Center for Engineering and Science / 金沢工業大学科学技術応用倫理研究所

第2次研究計画
平成17年度

I.研究内容

(1) 当該年度における研究の進め方

平成17年度は研究体制整備のための期間と位置づけ、以下のような活動を行う。

1) 運営会議関連

平成16年度は、12月(金沢)、1月(金沢)、2月(金沢)、3月(東京2回)と、計5回の推進会議を行い、プロジェクトを立ち上げた。
平成17年度は最低6回の推進会議を金沢で開催し、金沢工業大学以外の研究グループの代表者を交えて研究推進の方向性を具体的に検討する。これらの推進会議では、次の事柄について決定する。

a)各研究グループの研究実施項目の進捗状況の確認
b)共同研究員(学内および学外)の検討・確定
c)エシックス・クロスローズ・タウンミーティング(ECTM)の全体計画
d)ECTMの参加者の人選
e)ECTMの話題提供者の決定
f)国際シンポジウムの企画・計画
g)国際ワークショップの企画・計画

2) ECTM関連

平成16年度は、平成17年2月および3月にECTMを試行的に東京で開催した。これらのECTMでは、会合のフォーマットについて実験を行い、ビデオ会議システムの有効な活用方法についても検討した。また、各回のECTMの参加者に対して、本プロジェクトの目的・全体計画を含め種々のオリエンテーションを行った。
平成17年度は、8月3月を除き、毎月(計10回)のECTMを開催する。すでに開催した第1回および第2回のECTMで得られた知見を基に、より効率的な運営を目指すとともに、参加者間の議論を促進するために、ウェッブサイトによる情報の公開、メーリングリストによる情報の交換などを推進する。

3) 国際ワークショップ関連

平成16年度は、本プロジェクトを推進する上で中核となる海外の客員研究員7名を招聘して2日間の国際ワークショップを3月3日(木)~4日(金)に金沢工業大学東京虎ノ門キャンパスで開催した。招聘したメンバー、所属、及びテーマは以下のとおりである。

  • マイケル・デイビス(イリノイ工科大学):Ethics across the curriculumワークショップ
  • ハインツ・ルーゲンビール(ローズ・ハルマン工科大学):国際的倫理綱領の可能性
  • スコット・クラーク(ローズ・ハルマン工科大学):電子ポートフォリオによるプログラム評価
  • ラリー・シューマン(ピッツバーグ大学):倫理的判断能力の測定
  • 廬泰天(大韓工業教育学会長):韓国における技術者倫理教育の現況/アジアの技術者の価値観
  • イボー・フォン・ダ・プール(デルフト工科大学):Agoraの現況及びヨーロッパの状況
  • アラステアー・ガン(ワイカト大学):環境倫理及びニュージーランドの状況

平成17年度は、平成18年3月に、韓国、台湾、中国、シンガポールなどの関係者を招聘し、アジア地域における科学技術倫理の現況および価値観に関するワークショップを2日間の予定で開催する。

4) フィールド調査関連

平成16年度は、スコット・クラークがこれまで行ってきた調査および安藤・札野が実施してきた調査の手法を基に、平成17年度に実施する「科学技術者が重視すべき価値」アンケート調査の質問を検討した。
平成17年度は、平成17年4月~6月にかけて、インタビュー調査を行う個人を同定し、加えて、平成17年度に聞き取り調査を行うことになる優れた企業倫理プログラム(good practice)を持つ企業を、インテグレックス社が持つ情報を中心に同定する。その後、平成17年7月頃からアンケート調査、インタビュー調査を開始する。

5) カリキュラムを通した倫理教育(Ethics across the Curriculum: EAC)の実践

平成16年度に開始した以下の作業を、平成17年度も継続して行う。さらに、平成18年度から開講される必修科目「科学技術者倫理」の具体的な内容について詳細に検討し、開講準備を行う。

  • 金沢工業大学におけるEACプログラムの文書化
  • 教材(事例)の収集・整理
  • 教育手法(ケース・メソッド)に関する検討
  • ラリー・シューマンらが開発した測定用ツール(ethics rubric)の日本語化
  • マイケル・デイビスが実施しているEACワークショップの内容の検討

6) 国際的科学技術倫理綱領(Global Code of Ethics for Scientists and Engineers)関連

平成16年度は、すでにWFEO、FEANI、NAFTAなどが制定している国際的な科学技術倫理綱領の収集・整理を開始した。また、他の領域(企業倫理、環境倫理、医療倫理など)ですでに策定されている国際的な倫理綱領を収集・整理する。特にそれらの中に含まれている「価値」の抽出作業を開始した。
平成17年度はこれらの作業を継続して行い、平成17年12月末までに、GCESEの第一次案を策定する。その際、研究代表者が委員を務めるUNESCOの「科学的知識と技術の倫理に関する世界委員会(COMEST)」との連携を図る。

7) ”Agora” 関係

平成16年度は、プロジェクト関係者自ら“Agora”を実際に試用し、学部学生に対する活用方法を検討した。また、オランダでの開発担当者の一人であるイボー・フォン・ダ・プールと直接面談し、日本語に翻訳すべき部分の優先順位などを特定した。
平成17年度は、”Agora”の改訂が完了する平成17年9月を待って、翻訳を開始する。特に、事例(ケース)の検討に関するモジュールの翻訳を急ぎ、平成18年度からの試用の準備をする。

8) 海外調査・打ち合わせ

平成16年度は、平成17年2月24日~27日にかけて開催されるthe Association for Practical and Professional Ethicsの第14回年次大会に金沢工業大学グループから5名を派遣し、実践倫理・専門職倫理の研究者とのネットワーク作りを行った。特に、この学会が年次大会で毎年行っている倫理センターの運営に関するワークショップ(”Especially for Ethics Centers”)に参加し、今後の活動の参考にすることができた。加えて、科学技術倫理、研究倫理関係の最新の情報を入手した。さらに、この学会の会期中に、イリノイ工科大学専門職倫理研究センター所長のVivian Weil氏及び上席研究員のMichael Davis氏と面談し、倫理センター運営の方法などについて意見交換を行った。
平成17年度は、世界各地の倫理センターへの視察、米国Ethics Officer Associationが主催する倫理教育・研修セミナーへの参加、デルフト工科大学でのAgora関連の打合せ、アジア地域における科学技術倫理教育に関する調査などを計画している。

9) 共同研究員向けワークショップ

平成17年度は7月あるいは8月に、金沢で共同研究員向けのワークショップを開催する。このワークショップでは、イリノイ工科大学のMichael Davis氏を招聘し、同氏が1990年からNSFの支援を受けて実施してきた”Ethics across the Curriculum”ワークショップを日本に適した形で再編し試行する。

II.研究の実施体制

(1) 研究チームの構成

金沢工業大学科学技術応用倫理研究所グループ(札野 順)
金沢工業大学科学技術応用倫理研究所
<研究実施項目>および概要

<科学技術者の持つ価値群に関する調査/研究>

日本およびアジアにおける科学技術者の価値観に関する調査を開始する。特に、「安全とリスク」、「組織に対する忠誠」、「専門職としての責任」などを中心にインタビュー調査やアンケート調査し、国際比較を行う。この際、文化人類学者であるスコット・クラーク(客員研究員)の調査手法を活用する。この研究は、本プロジェクト全体の方向性を定めるための実証的データを得るため不可欠である。平成16年度は、17年度の第一次調査に向けて、アンケート項目の検討などを開始した。17年度は、アジア地域の客員研究員および研究協力者と共同して、文献調査及び聞き取り調査、ならびにアンケート調査の試行を行う。

<科学技術倫理の事例収集・作成>

科学技術倫理に関連する事例(ケース)を収集整理するための基本的な枠組みを作り、エンジニアとしての実務経験を持つ研究員を中心に調査を開始する。これらの事例は、価値の対立に関する分析のための素材となると同時に、教育・研修のための題材となる。平成16年度は、すでに存在する事例のリストアップを始めた。平成17年度は、リストアップを継続するとともに、これらのケースをそこに含まれる主要な価値によって整理・分類する。さらに、新しいケースの収集を聞き取り調査を中心に実施する。

<企業倫理プログラム・モデルに関する研究>

CSRおよび企業倫理プログラムに関する研究会を定期的に金沢工業大学東京事務所および虎ノ門キャンパスなどで開催する。その際、収集・作成したケースも検討する。この活動は、Ethics Crossroads Centerに、企業倫理の実務者の視点を反映させるために不可欠である。平成16年度は、研究会に参加を要請する人々のリストの作成に着手した。平成17年度は、このリストを完成させ、最低4回程度の研究会を開催する。

<倫理的判断能力測定方法の開発>

倫理的判断能力を測定するためのツールを開発する。具体的には、ピッバーグ大学を中心に研究が進められているEngineering Ethics Assessment Rubricsと、オランダで開発されているAgoraを統合したものを、日本で使用できる形に改良する。このツールをまず30名程度の学生を対象にパイロット・スタディを行う。その結果を整理した上で、ラリー・シューマン、イボー・フォン・ダ・プールなど関係者を招いて、ワークショップを開催し、それぞれの調査結果を比較・検討する。その成果を踏まえて改良した測定ツールを、金沢工業大学で、学科・専攻の壁を越えて100名程度に対して実施する。この際、本学で開発予定のe-portfolio(電子ポートフォリオ)との連携を図る。このようなツールの開発は、倫理プログラムの実効性検証および継続的改善のためになくてはならないものである。
平成16年度は3月初旬に開催した国際ワークショップにシューマンおよびフォン・ダ・プールを招聘し、それぞれのプロジェクトの現況を確認した。平成17年度は、平成18年度春学期での試用を目指して、具体的な検討を行う。

<EACモデルの構築>

Plan-Do-Check-ActというPDCAサイクルを持つプログラムのモデルを構築する。それぞれの段階でのツール(教育目標の策定方法、教育手法など)を開発し、モデルの原案を作る。その上で、マイケル・デイビスおよび関係者を招いて、EACの具体的手法などのためのワークショップを開催し、知見の共有とモデルの改善を図る。また、金沢工業大学における大規模EACの実践から得られた教訓などをモデルに反映させる。この研究項目は、「社会技術としての科学技術倫理」プログラムの実施モデルの構築に向けての基礎資料となる。
平成16年度は3月初旬に開催した国際ワークショップにデイビスを招聘し、EACを推進するための手法について検討する。(専門教員を対象とした倫理教授法のワークショップの内容・方法についても検討する。)
平成17年度は、平成18年春学期に開講される必修科目「科学技術者倫理」の教材・教育方法・評価手法などの具体的な検討を行い、開講準備をする。

<グローバルな倫理綱領モデル>

他の研究項目で得られた知見、NAFTA技術倫理綱領制定のプロセスなどを参考に、国際的に通用する科学技術倫理綱領原案を複数策定し、様々な形で公開する。特に、すでに倫理綱領を制定している学協会の意見に配慮する。さらに、コンセンサス会議などの手法をつかって公衆からの意見も取り入れる。また、倫理綱領原案を、内外の主要な科学技術系学協会、WFEO、FEANI、NSPE(全米専門職技術者協会)、ABET、Washington Accord、UNESCO、JABEE、などに送付して、意見を徴集する。この研究は、Ethics Crossroadsにおける対話の共通テーマであり、議論を推進するための触媒として不可欠である。
平成16年度は、すでに存在する事例のリストアップを始めた。平成17年度は、リストアップを継続するとともに、これらのケースをそこに含まれる主要な価値によって整理・分類する。さらに、新しいケースの収集を聞き取り調査を中心に実施する。

<ワークショップ>

共同研究員を対象とした科学技術倫理教授法などに関するワークショップを開催する。ここでは金沢工業大学におけるEAC実施の経験や、参加者の所属組織における経験を共有する。開催後は、メーリングリストなどを介して、情報の交換を行う。この活動は、Ethics Crossroads形成に欠かせないものである。
平成16年度は、学内外の共同研究員の選考作業を開始した。平成17年度は、平成17年5月までに、選考作業を完了し、共同研究員を確定する。その後、任命およびオリエンテーションを行う。また、平成17年7月あるいは8月に、金沢で共同研究員向けのワークショップを開催する。このワークショップでは、イリノイ工科大学のMichael Davis氏を招聘し、同氏が1990年からNSFの支援を受けて実施してきた”Ethics across the Curriculum”ワークショップを日本に適した形で再編し試行する。

<国際シンポジウム>

平成17年度は東京で国内外の関係者(共同研究員、客員研究員など)を招いて本研究プロジェクトの目的、概要および実施計画などに関する国際シンポジウムを開催する。18年度は、米国、欧州、アジア・オセアニアから科学技術倫理の代表的な研究者を招聘し、国際的な倫理綱領の策定可能性を探る国際シンポジウムを開催する。平成19年度は、本研究の成果報告のためのシンポジウムを開催する。この活動は、Ethics Crossroadsの形成および研究成果の公表、検討のために必要である。
平成16年度は、平成17年度国際シンポジウムの企画を行う。平成17年度は、6月頃までにシンポジウムの企画を完了し、12月に東京で国際シンポジウムを開催する。

<諮問委員会>

諮問委員を委嘱し、諮問委員会を国際シンポジウム開催と同時期に開催する。この委員会は、本プロジェクト全体の進捗状況および成果をチェックするために必要である。
平成16年度は、諮問委員会メンバーの人選を行う。平成17年度は、12月に開催する国際シンポジウムと時期を合わせて、東京で開催する。

<教育研修機能>

この点に関しては、以下のような目標を掲げているが、平成16年度はこれらの目標を達成するための基盤を形成する時期と位置づけられる。平成17年度も継続して基盤形成を行う

  • 科学技術応用倫理研究所の充実および役割の明確化:本拠点の中心となる科学技術応用倫理研究所(1997年4月設立/平成16年12月時点での研究員は16名/客員研究員13名)を人材・設備・予算の面で拡充する。平成16年度は、研究員を増員(2名)し、東京サテライトオフィスを開設した。同研究所は、本研究教育拠点の事務局かつ牽引車としての役割を担う。同時に、下記の学内外共同研究員に対してこれまで同研究所が蓄積してきた研究成果および教育のためのノウハウなどを共有するために、ワークショップ、Ethics Crossroads Town Meetingsなどを開催する。
  • 学内共同研究員:加えて、学内の13学科および研究科から、学長の指名で各2名の学内共同研究員を任命する。また、学内の主要センター(含む工学設計教育センター)からも学内共同研究員を任命する。これらの学内共同研究者(約30名)は、研究所の活動に実質的に参画する。
  • 学外共同研究員:研究代表者である札野が、平成13年度から基調講演・講師を担当してきた「技術者倫理ワークショップ」(日本工学教育協会主催)の参加者(国内の大学・高専で技術者倫理を担当している、あるいは予定の教員)(申請時点でのべ220名)、および日本経営倫理実践研究センターに加盟する企業の倫理プログラム担当者などの中から、約10名の学外共同研究員を任命する。
  • 海外共同研究員:アジア圏の大学(当面は、台湾大学、成功大学、シンガポール理工学院など本学の協定校を中心とする)で科学技術倫理に取り組む研究者・教員を5名程度、海外共同研究員として任命する。
  • 共同研究者を対象とするワークショップ:上記の学内・外の共同研究者を対象に、科学技術倫理教育に関するワークショップを年3回程度、本学および本学の東京虎ノ門キャンパスで開催する。ここでは、特に、各自が担当する工学系専門科目の中に倫理教育の要素を取り込む手法(micro-insertion)および倫理的判断能力の測定方法について検討する。各共同研究員はここで学んだ手法を実践し、その実践事例を研究所に報告すると同時に、研究所のデータベースに入力し、他のメンバーとの情報の共有を図る。このような活動を通じて、工学系の専門教員に対して、科学技術倫理教育という新しい領域における能力向上・付加(capacity building)を促す。
  • Ethics across the Curriculumへの対応:金沢工業大学では、平成16年度からの新カリキュラムで、単に少数の科目で科学技術倫理を教えるのではなく、工学専門科目も含めた課程全体で科学技術倫理を教える、大規模なEACを実践する。特に、必修科目である「技術者入門」「工学設計I、II、III」、「コアゼミ」などを担当する学内共同研究員を対象に、EACの教授手法に関する検討会を開催する。
  • 科学技術倫理を専門とする若手研究者の育成:研究所では若手の専門研究者をすでに3名(安藤、栃内、金光)採用しているが、さらに、平成17年度4月1日付で1名(本田)の採用が決定している。加えて、平成16年度中に非常勤研究員を2名採用した。これらの若手研究者は、本拠点の諸活動に主体的に参画することにより、また、EACの実践に関与することにより、科学技術倫理の専門家としての能力を伸ばすことになる。
  • これらの活動により、「社会技術としての科学技術倫理」を推進し、わが国の科学技術研究・実践を根幹から変革できる人材を100名程度養成する。科学技術に関連する行為に関する考察・行動の設計である科学技術倫理は実践されてはじめて意味をもつものなので、この教育・研修の機能は本研究の目的を達成するために欠かせない。

北海道大学グループ(蔵田伸雄)
北海道大学 文学研究科 倫理学研究室
<研究実施項目>および概要:

<国際的な倫理綱領に関する倫理学的な検討>

本研究で作成する国際的な倫理綱領案に関して、伝統的な倫理学ならびに応用倫理学的な見地から検討を加える。本研究で提案する倫理綱領を、第三者の立場から哲学的に検討することは必要な作業である。
平成16年度は、金沢工業大学グループの倫理綱領収集作業に協力した。平成17年度は、この活動を継続する。

<生命倫理・医療倫理におけるIRB制度に関する検討>

IRB(institutional review board)制度に関してはすでに多くの知見が得られている。この知見を倫理プログラムの観点から再検討し、本プロジェクトに応用可能な要素を抽出する。
平成17年度は、IRB制度の良好事例を数件整理し、他のグループに紹介する。

SRI/CSRグループ(西森仁志)
(株)インテグレックス

  • 研究実施項目 <SRI(社会的責任投資)とCSRを基軸とした倫理プログラム>
  • 概要 インテグレックス社は、SRIを推進するために設立された会社であり、企業の倫理度などに関して定期的な調査を行っている。また、倫理プログラムに取り組む企業とも強力な協力体制を築いている。そこで、同社の秋山をね氏(代表取締役社長)、西森仁志氏(取締役)を中心に、CSRを基軸とする倫理プログラムの良好事例を収集・整理する。また、これらの事例をSRIに結びつける方策について考察する。これは、倫理プログラムの推進に、経済的なインセンティブを与えるための方法を検討する上で必要である。平成17年度は、CSRの現況について整理し、他のグループに紹介する。

企業倫理グループ(小野芳幹)
(株)東京電力 総務部企業倫理グループ

  • 研究実施項目 <企業倫理プログラムの実践報告>
  • 概要 アドバイザーである企業倫理グループは、それぞれ堅実な取り組みを行っている。このグループの幹事である東京電力では、最近の不祥事以来、社会的な信頼回復のために、約4万人の社員、ならびに関連・協力企業を対象に、総務部企業倫理グループが中心となって画期的な企業倫理プログラムを推進している。研究代表者は、同社の企業倫理グループと密接な協力を持ち、これまでも管理者層を対象とした講演や価値観に関するアンケートの実施などを通して、同社の倫理プログラムに関与してきた。同社の取り組みは、他の組織の参考となるものであり、企業倫理プログラムのモデルを考えていく上で、重要な示唆を与えてくれる。平成17年度は、東京電力における取り組みについて整理し、他のグループに紹介する。
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