高信頼理工学研究センター

Co-creative Research Center of Industrial Science and Technology(CIST)

【CFRP製光学システムの試作・検証を目指した理研との産学連携を開始】

理研シンポジウム 第1回理化学研究所-金沢工業大学 合同ワークショップ
理化学研究所 和光事業所 大河内記念ホールにて開催


 第1回理化学研究所-金沢工業大学 合同ワークショップが11月22日(木)に,理化学研究所 和光事業所 大河内記念ホールにて開催された。
 本学 高信頼理工学研究センター(以下,理工研)では,炭素繊維強化樹脂をはじめとする先進複合材料の宇宙望遠鏡やX線観測衛星など宇宙分野への展開を目指して研究を推進している。これまで,理工研は国立研究開発法人理化学研究所(以下,理研)と先進複合材料の超精密成形加工技術開発について連携の協議を重ねてきた。今回のワークショップは今後の連携におけるキックオフの機会と位置付けられ、関連する両者の主要な研究者がこれまでの取り組みと今後の展望について紹介をするとともに,議論を行った。また,炭素繊維や樹脂メーカーも含め50名を超える関係者が参加し,基礎分野から応用分野までの幅広い技術に関する意見交換が行われた。
 講演会では本学から5名、理研から4名、大阪大学から1名の計10名の登壇者が自身の研究活動を紹介した。前半と後半の二部構成となっており,前半は光学素子に関する加工技術や計測技術など幅広い分野について,後半はより具体的な応用技術やその展望等について発表された。
 前半の部では,座長を理研 先端光学素子開発チーム 専任研究員 田島右副氏(本学 客員教授)が務められ,同 チームリーダー山形豊氏の題目「光学素子の超精密加工・計測技術」を筆頭に,理研側から三件の発表がされた。その後、本学 革新複合材料研究開発センター(以下,ICC) 所長の鵜澤潔教授が「適用拡大を目指した材料〜自動化までの製造プロセス最適化技術」と題しICCが進める研究開発についての紹介がされた。次に先端材料創製技術研究所 所長の森本喜隆教授が題目「金工大で行われている工作機械開発状況のご紹介と超精密加工機について」について発表された。
 後半の部では,座長を本学の理工研 副所長 中田政之教授が務められ,本学 理工研 所長の影山和郎教授が題目「炭素繊維の優れた特性と宇宙望遠鏡への適用可能性について」にて,今後の研究の構想に関する発表をされた。続いて,理研と連携を行っている大阪大学の松本浩典教授が題目「次世代宇宙X線望遠鏡について」,本学 材料システム研究所 所長の宮野靖教授が題目「炭素繊維強化プラスチックにおける粘弾性現象と寸法安定性について」,理研 先端光学素子開発チーム 専任研究員の滝澤慶之氏が題目「飛翔体による超高エネルギー宇宙線観測計画~反射望遠鏡を用いた気球・衛星ミッション~」についてそれぞれ発表した。最後に本学 客員教授 尾崎毅志氏(コンポジット技研株式会社 代表取締役)が題目「カーボンコンポジットによる軽量光学反射鏡の開発事例」について紹介した。10名の登壇者による講演会は3時間を超える活気あふれるものとなり,様々な議論が行われた。

発 表 題 目
光学素子の超精密加工・計測技術
山形 豊(理研・先端光学素子開発チーム・チームリーダー)
理研小型中性子源RANSによる非破壊計測
大竹淑恵(理研・中性子ビーム技術開発チーム・チームリーダー)
高分子のテラヘルツ分光
大谷知行(理研・テラヘルツイメージング研究チーム・チームリーダー)
適用拡大を目指した材料〜自動化までの製造プロセス最適化技術
鵜澤 潔 教授
金工大で行われている工作機械開発状況のご紹介と超精密加工機について
森本喜隆 教授
炭素繊維の優れた特性と宇宙望遠鏡への適用可能性について
影山和郎 教授
次世代宇宙X線望遠鏡
松本浩典(大阪大学・教授)
炭素繊維強化プラスチックにおける粘弾性現象と寸法安定性
宮野 靖 教授
飛翔体による超高エネルギー宇宙線観測計画 反射望遠鏡を用いた気球・衛星ミッション
滝澤慶之(理研・先端光学素子開発チーム 専任研究員)
カーボンコンポジットによる軽量光学反射鏡の開発事例
尾崎毅志(金沢工業大学 客員教授,コンポジット技研株式会社 代表取締役)
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