航空システム工学研究所

KIT Aeronautics Laboratory

Ⅰ 空気力学の研究(赤坂研究室)


(赤坂研究室)

  • 小型無人航空機(ドローン)とヘリコプタの研究開発

 自然災害や原発事故など空撮による監視・調査をはじめ、物品搬送など小型無人航空機(ドローン)が使用されているが、狭い地域や運用環境に条件付きの場合が多い。そこで安全面やさまざまな運用条件でも飛行可能な小型無人航空機(ドローン)の自律飛行研究に取り組んでいる。また地域と連携して、風光明媚な地形や災害現場などの空撮調査に取り組んでいる。

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 航続距離や飛行速度の向上を目指したヘリコプタに推進用プロペラや翼を搭載したコンパウンドヘリコプタの研究や、地面近傍におけるヘリコプタのロータ後流のメカニズムを解明する研究に取り組んでいる。

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Ⅲ 航空機構造・材料の研究(廣瀬研究室・吉田研究室・小栗研究室)


  • 新形態航空機の機体設計と強度剛性評価
  • 地球環境に優しい航空機の研究
  • 複合材料に適した革新的構造様式の研究
  • 複合材構造の耐久性向上の研究
  • 航空宇宙構造部材の開発
  • 航空機機体構造材料の表面処理技術の開発
  • 航空機窓材料の電磁波シールド技術の開発

(廣瀬研究室)

  • 革新的航空機構造の研究

 航空機材料は次々と新しいものが開発されているが、構造様式は金属構造に適したセミモノコック構造が70年以上も使われている。発泡コアサンドイッチパネルは一体成型の優れた複合材料の特長を活かした構造様式だが面板とコア間のはく離の進展により著しく強度が低下するので、このはく離の進展を抑制するアイデアであるクラックアレスターの研究を進めている。

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  • 構造軽量化による航空機の性能向上の研究

 革新的な形状の航空機の概念設計や、近年、適用が拡大している複合材料のような軽量化技術を航空機構造に適用した場合について数値解析を行って性能向上効果を検討する。

構造線図

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構造・装備品配置の検討

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変位分布の解析例

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大型輸送機の胴体構造の解析

全機の応力分布の解析例

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再使用宇宙往還機の構造概念設計
(JAXA殿からの委託研究)



(吉田研究室)

  • 織物複合材料の曲げ剛性および面外せん断剛性に関する研究

 航空機積層複合材構造では衝撃後圧縮強度(CAI強度),すなわち外部からの衝撃負荷により損傷(層間はく離など)が生じた積層板に圧縮荷重が負荷された時の強度を正確に把握する必要がある.その圧縮強度には,衝撃負荷により生じた層間はく離により局所的に形成される数層程度の積層板の座屈挙動が深く関係する.本研究では,このようなはく離部の曲げ剛性および面外せん断剛性を過大に見積もる,すなわち座屈荷重を過大に見積もる可能性(危険性)があることを示した.

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  • 航空機用サンドイッチパネル結合部の初期損傷抑制法

 先行研究において、サンドイッチパネルTapered end-closure結合部の要素供試体の引張強度試験の結果、供試体最終破壊荷重の1/3程度の荷重で、パネルテーパー部のコア終端部にき裂(初期損傷)が生ずることが報告されている。当該結合方式の実用化に際しては、この初期損傷の発生を抑制し、構造健全性を維持できる荷重レベルを向上することが不可欠である。本研究では、パネルテーパー部の角度に注目し、パネルテーパー部のテーパー角を小さくすることにより,初期損傷の発生を抑制できることを実験および有限要素解析により示した。

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(小栗研究室)


金属材料の疲労特性を向上させる表面処理の研究 「陽電子消滅法を用いた通常、微粒子ショットピーニング材の評価」

研究背景

現状
インテンシティ、残留応力値から評価微粒子(FPSP)、レーザーピーニング等の開発
先行研究
インテンシティとの相関を確認
陽電子消滅法
物質中における陽電子の挙動から材料中の空孔・転位密度を評価
研究目的
  • インテンシティは、FPSP処理の評価に適さない
  • 陽電子消滅法によるアルミニウム合金材の評価例は少ない
  • 各種ショットピーニング(SP)処理材の評価を試行
  • 陽電子消滅法の適用について検討
実験方法

試験片および処理条件

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測定装置及び条件

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残留応力測定

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測定結果

CSP材測定結果

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FPSP材測定結果

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結論

  • X線回折法により測定した圧縮残留応力値は、表面及び深さ分布ともに、使用する投射材と条件により大きく変化した
  • X線回折法は、FPSP処理により表面近傍に導入された圧縮残留応力の評価に有用である
  • CSP,FPSP材ともに、Sパラメータは圧縮残留応力積分値の増加に伴い増加した
  • ドップラー拡がり法は、ショットピーニングにより導入された材料表層の変形状態(空孔,転位)を評価できることが示唆された

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