コラム KAZU'S VIEW

2011年05月

チューリップにまつわる話と「三方よしの経営哲学の接点は数字の三」

今年のゴールデンウイークはうきうき気分を無く、何となく休日という過ごし方であった。その中で、たまたま妻の提案で、石川県から富山県に抜ける新しい道ができたので、ドライブに行こうと言うことになり、娘と3人で出かけた。その帰り道にで、砺波のチューリップフェアに行ってみようと言うことになり、足を伸ばした。今年は例年に比べ、気温が低いようで、花の咲き方も遅く、つぼみ状態の花が殆どであった。風も冷たかったので、早々に近くの建物に入ったところ、その建物内部にはチューリップの様々な展示やチューリップにまつわる様々な歴史やエピソードが紹介されていた。その展示物の中で紹介されていた話に大変興味を持った。その話の内容は、昔、ヨーロッパのある国に美しい王女がいた。多くの男性から求婚されていた。その中の3人の青年が王女に贈りものをした。1人は商人の息子、1人は王子、そして3人目が騎士であった。商人の息子は黄金を、王子は王冠を、そして騎士は剣を贈りものとした。王女は3人から1人を選ぶことができず、とうとう湖に身を投げて死んでしまった。そして、その後、その湖の岸にはチューリップが咲くようになった。人々は王女の化身だと信じた。これは、ストーリーの概要である。3人の青年は経済力、権威力および勢力(武力)を象徴したものであろう。 ある美しい少女に3人の騎士が求婚をした。一人は黄金の王冠、もう一人は剣、最後の一人は財宝をもって愛をささやいた。しかし、三人の騎士から求婚されたものの、誰とも選べぬ少女は悩んだ末に、花の精霊に願い、自分を花の姿に変えてもらった。結納であった王冠は花に、剣は葉に、財宝は球根になった。そして、花の姿に変えられた少女の名から、その花はチューリップと名付けられた。 なぜ、三択なのか。三点支持、鼎論議など3つの中の調和は結構、説得力がある。ある意味、傍目(岡目)八目(オカメハチモク)の世界であろう。碁の世界では対戦者の2人を観戦している者が客観的な視点で8目先の戦況を論ずる。対戦者同士は試合の没頭し、熱くなっている。そのような環境下では主観的にならざるを得ない。しかし、客観的視点は冷静、沈着、他人事として受留めることが正にマネジメントの世界であろう。その意味で3つの視点で物事を捉えることは、自分事、他人事そして第3者視点の利害関係をどのようにとるか?近江商人の哲学、「売手よし、買手よし、世間によし」の三得(三方よし)の哲学ではないだろうか。このビジネスモデルを世界標準にする位の経営者を今の日本は求めているのではないか。もう、これ以上、テレビのニュースで経営者のお詫び会見を見たくはない。

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