コラム KAZU'S VIEW

2011年04月

東北日本大震災から日本人は何を学ぶか-Part2-

東北日本大震災が起きて1ヶ月が経過したが、テレビ番組はこのニュースや話題で1日のほとんどが占められている。その中でも死者の数、行方不明者の数、そして福島原発事故の被害拡大と悲しく、不安なことの中に無事に救出された方々のテレビ画面にわずかな救いを見いだしながら、無力感に捕らわれる日々が続いている。海外の知人、友人からも励ましや祈りのメールが連日届く。その中で気になったのが女性の知人や友人から原発禍に対する状況の問い合わせの多いことであった。そこで、福原発事故に関する情報をインターネットで調べてみた。北半球全体に放射能汚染が拡大する危険性があるので、南半球に移住すべきだとか、本州は危険なので九州に移らなければならないなどの情報が飛び交っており、愕然とした。私の知人の多くが現地にボランテイアとして出向き、活動している様子をテレビニュースなど通じて見知ると、自分として何か出来ることが無いかと徒に悩みつつ、一方で原発禍の不安を感じながら、複雑な気持ちが続く毎日。 核エネルギーといえばマリヤスクウォドフスカ・キュリー(キュリー婦人)を思い出す。彼女は1903年に化学賞、1911年に物理学賞と生涯2回のノーベル賞受賞の偉業を達成した唯一の人間であり、その娘もノーベル化学賞を受賞している。また、ソルボンヌ大学で初めて教授に就任した女性であり、フランス政府からレジオン・ドヌール賞を授与され、女性外国人として唯一、パリのパンテオンに埋葬されている。彼女が「放射能」、「放射性元素」という用語を世に生み出したと言われる。2007年6月にワルシャワの彼女の生家を訪ねたが、とても質素な家具や部屋の印象が強かった(2007年6月コラム参照)。 日本人の原子力に対する思いは、多分、世界的に見て特殊であろうと思う。それは60年前に人類史上、初めての原爆を2回も体験した民族が、再び、平和利用の名のもとに、核被害を受けたという体験を持つ民族は人類史上唯一、無二ではないか。このような試練を今回自然から突き付けられた我々日本人はどのような回答を出せるのであろうか。その回答を世界中が待っている。それだけの犠牲と貴重な体験を持った民族が日本人であろう。その自覚を日本人は持つべきではないか。

先頭へ