コラム KAZU'S VIEW

2007年09月

西郷隆盛と天璋院篤姫・和宮連携が意味するものは?

今年のNHK大河ドラマは「風林火山」であったが、来年は天璋院篤姫(テンショウインアツヒメ)を主人公にしたドラマになるらしい。風林火山も主役は山本勘助や武田信玄のように見えるが、実はその奥方、娘や関係する女性がその本質的部分を支配、決定しているというメッセージを強く感じた。天璋院篤姫は島津斉彬(シマズ・ナリアキラ)の養女として徳川13代将軍家定の正室となり、家定没後出家した方である。江戸城無血開城の徳川方の立役者は勝海舟と聞いていたが、実は彼女が本当の立役者であったらしい。彼女は島津斉彬の命を受け、第14代将軍を慶喜(ヨシノブ)にするために江戸城大奥に差し向けられたとされるが、結果的には慶喜は第15代将軍となり、徳川家最後の将軍として大政奉還をすることになる。第14代将軍家茂(イエモチ)の正室となる皇女和宮(孝明天皇の妹)は公武合体論の象徴となるが、その和宮を江戸城大奥の中で支援する。しかし、やがては王政復古から倒幕の流れの中で鎌倉時代から六百年続いた武士の時代の幕引きをするとともに結果的に徳川家を存続させるという歴史の流れを作ることにこの2人の女性が関わることになる。西郷と勝との男の連携は薩長と徳川という敵対関係の上で成立したことに意味があるが、篤姫と和宮の連携は江戸城の大奥という世界で共に徳川家外部の世界から来た女性同士が将軍の正室という立場で成立し、徳川家を継続させたことに意味があろう。
勝手な持論であるが私は日本文化の変革6百年周期説(2003年9月第1回コラム「和魂和才」参照)を唱えている。また、その変革の原動力は女性であるという仮説も持っている(2006年3月コラム「トリノオリンピックの感動」参照)。変革の最初は仏教導入である。その中心人物である聖徳大使に関わる推古天皇がいる。原点は天照大神(アマテラス・オオミカミ)かもしれないが、これは時代検証が出来ない。次が鎌倉時代の北条政子、そして幕末の和宮であるという説なのだ。歴史に「もし」は無いというが、戊辰戦争時に江戸焼失という状況になったら、日本の歴史はどうなったであろうか。戦乱は長引き、日本人同士の遺恨は増大し、そのしこりがかなり残ったであろう。さらに、アジアを取り巻く世界状況を見ると第二次世界大戦敗戦時のアメリカとソ連による日本分割占領のような状況の実現性は大戦直後より当時の方が高かったであろうことは容易に想像できる。明治維新によって薩長体制の中で徳川が生き続け、結果的に武士社会から市民社会への以降が第二次大戦終了までかかったという私の仮説(2004年8月コラム「東アジアにおける終戦記念日は独立記念日」)の検証を男性と女性の連携という視点で来年の大河ドラマを鑑賞するのも一興ではないか。

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