コラム KAZU'S VIEW

2006年07月

キャンデイ-ズはとと楽の象徴か?

ラン・スー・ミキの3人娘といえばキャンデイ-ズが思い出される世代は今何歳だろうか。2007年問題の「団塊の世代」の少し後のジェネレーション、全共闘の先輩達が安田講堂にたてこもり、機動隊と争った後の世代。学園紛争が大学から高校に拡大していた頃であった。ナベプロの総集編のようなグループであり、絶頂期に初めてエンターテメントで後楽園球場を満員にしたボーカルグループであり、コメデイアンであり、作詞家であり、男のこころをそそる膝上30センチのスカートをはいてステージを走りまくった3人の女性。今は何をしているのだろう。普通の女の子に戻り、家庭を守り、あのころのエネルギーをなつかし思っているのではないか。楽しく、可笑しく、幸せな時代の象徴ではなかったか?

キャンデイーズが解散したのは1978年だったと思う。この年は結構色々な歌がはやっていた。ガンダーラ、青葉城恋歌、金沢の雨、幸せ返し、などなど。当時は博士課程の2年生だったと思う。この時、ノルウェー工科大学(現在はこの名前は使用されていない)のK.Holt教授が1年間の招聘研究員として私が属した研究室に在籍され研究活動をされていた。 Holt教授の研究テーマは新製品開発における情報行動に関する研究(Users' Needs Assessment and Information Behavior:NAIB)であった。 この研究の前提にあるモデルが融合モデルというものであった。Fusion Modelという当時結構行けてるネーミングであったが、その後、音楽分野でもフージョン系音楽なる領域が出てきたのでその名前も影が薄くなった。NAIB(ナイーブ)というプロジェクト名はインターナショナルな名前で当時GINプロジェクトとNAIB Japanプロジェクトという2つの国際研究プロジェクトが走っていた。GINはGermany, Italy and Norwayの3カ国の頭文字をとった名前で、その研究テーマは製品開発とイノベーションのヨーロッパ共同研究プロジェクト。これに共創してNAIB JapanはNeeds Assessment and Information Behavior (NAIB) をFusion概念を用いて創造性を分析し、「失敗しない製品開発」の研究を目指した研究プロジェクトだった。K.Holt教授には2年前のストックホルムでお元気なお顔を見ることができた。八十をとうに過ぎているのに未だに新しい大学のカリキュラム作りに頑張っておられ、お会いした翌日にはトロントハイムにお帰りになった。そろそろ、30年を過ぎようとしているが、その年月は私をどれだけ変えただろうか?いや、変わっただろうか。

ラン、スー、ミキのキャンデイーズで始まったこのコラムは少し脱線したような気がするが、新製品開発は多分極めきれないと思う。ここ3年間は人材育成と生産管理へと回帰してきている自分の心に対し、何となく寂しく、また、懐かしく思う気持ちを大切したい。キャンデイーズの最後の言葉「私たちは幸せでした。」は何か男の心を見透した「かか楽」から「とと楽」へのメッセージのような気がする。

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