コラム KAZU'S VIEW

2006年06月

テレビドラマ「7人の女弁護士」はかつての七人の侍か?

6月1日は本学金沢工大学園の創立記念日である。毎年この日は永年勤続表彰が行われる。今回は私が20年勤続表彰を受け、記念品として銀製の三重杯をいただいた。正に金属表彰であった。その夜、妻と20年を振り返りながら、無事何事もなく金沢に来て過ごせたことに素直に感謝できた。その時テレビを見ていたら「7人の女弁護士」というタイトルのドラマが放映されていた 。そのストーリーは大学を舞台にした昇進問題に殺人事件が絡んだものだった。助教授から教授に昇進するために助手の研究論文を盗作したことをその女性助手から指摘され、盗作がバレルことを恐れた教授が起こした殺人事件の裁判を中心に展開する。教授は身代わりの容疑者を仕立てるがその弁護をする女性弁護士とその事件の担当検事が大学同窓生の女性検事で、この2人は卒業時に互いに真の弁護士、真の検事を目指そうと誓い合った親友同士であったという筋書きが何とも男性的であり、その女性検事がトリノオリンピックのゴールドメダリストの荒川静香さんであったことが、これまた印象的である。その番組の終わりに親友同士がスケートリンクでスケートを楽しむシーンがあり、女性弁護士が転倒しかかったところに手をさしのべた人物が女性検事の荒川さんであり、その後でイナバウアーをする、というところがトリプルで楽しめた。正に、「女なくして、日のいづることのない国」を象徴していた。ところで、「七人の・・・」というと黒沢明監督映画の「七人の侍」がすぐに浮かぶ。勘兵衛(志村喬配役)をリーダーとする個性豊かな7人がチームとなって盗賊に狙われた村を救うというストーリーである。そのメンバーは菊千代(三船敏郎)、七郎次(加藤大介)、勝四郎(木村功)、平八(千秋実)、久蔵(宮口精二)、五郎兵衛(稲葉義男)である。この映画はスターウオーズのジョージルーカス、インデイー・ジョーンズやETのステイーブン・スピルバーグらに大きな影響を与えたと言われている。確か、モノクロだったような気がするが、騎馬シーンや雨の中の死闘は迫力を感じた。男の世界を描いているような気がした。1950年代の製作のように記憶する。昭和20年代の後半に入り戦後の日本が動き出した頃ではなかったか。素朴な中に力強さを感じる時代背景があったのではないか。そして半世紀が経ち、日本は失われた10年を経験し、21世紀に乗り出そうとしている。その10年をより明るい方向に向かわせているのは日本の女性ではないか。日本女性の活躍は先のトリノオリンピックに象徴されている。数字の7というの「ラッキー7(セブン)」や「七福神」など幸せを呼ぶ数字のようだ。その幸せを男性に代わって女性が牽引する姿が今の日本のような気がしてならない。

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