コラム KAZU'S VIEW

2003年10月

日本人のユーモアはカラオケ!?

このところビートルズの話題に接する。この6月にInternational Society for Professional Innovation Management(ISPIM)の第15回会議が英国Manchesterの産業科学博物館を会場に開催された。マンチェスターは200年程前の産業革命の象徴的町で、世界で初めて鉄道がリバプールとの間に運行された町だ。Liverpoolは20世紀を代表する音楽グループ,ビートルズの町としても知られている。会場には200年程前の産業革命時の蒸気機関やロールスロイスの1号車が展示され、バンケットの際にはこの展示会場の蒸気機関を動かしてもらって会食と会話を楽しんだ。蒸気の熱気と振動、油の匂いとワインの香りが入り交じる中、200年前社会革命のリーダーシップを取った人々の息吹を五感を通じて感じた。その際の話題は各国のユーモアだった。ポーランド人のロシア人批判,ドイツ人のフランス人観など聞き、日本人のユーモアは何かの問に、答えを探す時間が徒に過ぎるだけだった。

翌日、ナイトツアーがあり、最終プログラムがカラオケだった。日本のカラオケと違うところは司会者が付くことだった。カラオケの機器は日本製だったが、日本の曲はかからず、イギリス人以外のビートルズナンバーが披露された。マンチェスターまで来てカラオケか?と思いつつ聞いていたが、結構ユーロッパの人達もカラオケを楽しんでいるのが肌で感じられ、奇妙な一体感を持った。産業革命、ビートルズ、カラオケとが同居する空間の中で前夜の日本人のユーモアの話題を思い出した。ユーモアは心の価値の会話ではないだろうか。心の価値は感動から共感への展開が重要となる。カラオケは聞くより歌うもの。歌っている人は自分の世界をカラオケで作り、その中に浸っている。歌詞は判らなくても、歌が聴きがたいものであっても自分の世界を作り出そうとする姿に感動し、共感による一体感が生まれるのではないか。産業革命から情報革命へ移行した社会、情報化社会が成熟度を高め情報社会を迎える。その中でITの社会性を考える時、ITは心の感動を共鳴に代えるものでなければならない。これまでのITは技術(物)先行のデジタル・グローバル指向のInformation Technologyであった。しかし、心の感動を個人の固有振動として共感によるネットワーク共鳴をもたらすITはアナログ・個性指向の情(こころを)報(つたえる)”i Try”のiTでなければならない。そもそも、日本のITはi-モードに始まった。iモードの”i”は“I am(私の世界、私の価値観)”から来ているという。i-モードは感動を高める増幅機能を有す。これを共感に高める日本的iTは情(こころ)を基盤としたiTネットワークでなくてはならない。カラオケからiモードそしてiTネットワークへ繋げる技術開発は日本的文化に基づく心的価値の創造を促進する技術にならないか。物と経済的価値観で行く詰まり情況の世界に対し、日本人の世界に通用するユーモアとしてカラオケからの展開の行く末を見守りたい。

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