コラム KAZU'S VIEW

2019年10月

色々とあった令和元年10月

令和元年10月22日(火)は「即位礼正殿の儀」が執り行われ,今年限りの旗日となった. 即位礼正殿の儀とは,即位した天皇が日本国の内外に即位を宣明(センメイ)する儀式である.「宣明」とい言葉はあまり耳にしない言葉である.宣明とは,宣言して明らかにすること,自国の立場を宣明すること(デジタル大辞選: https://kotobank.jp/word/%E5%AE%A3%E6%98%8E-551331)」, 自らの政治的立場を明らかにすること(Weblio辞書: https://www.weblio.jp/content/%E5%AE%A3%E6%98%8E),宣布または宣言して明らかにすること(広辞苑第5版)となっている.国家レベルの政治的?意思表示という意味なのだろうか.余り,ピンとこない説明である.しかし,国家の意思表示とは誰に向けてかは,明確であろう.その国の内側,外側か,両方か?の三者択一であろう.私見として国内外の両方に向けてのアピールと考える.現状の日本の外交政策は良好とは程遠いように思う.日本発,海外向け情報発信としては, 即位礼正殿の儀の海外からの賓客リストを見ればその効果の大きさに驚く.しかし,これ以外にも日本発の海外向け情報発信は今月多いように思う.日本ラグビー界の目標であったワールドカップ8強入りの実現は海外に衝撃を与えたであろう.また,今年のノーベル化学賞受賞者の吉野彰(ヨシノ アキラ)旭化成名誉フェロー(71才)のニュースも,そのテーマであるリチウム(元素記号Li,原子番号3)電池からしてインパクトは大きい.今やリチウム電池無くして情報社会は語れないであろう.PC,スマホそして電気自動車などなどがお世話なっているから.
 ぐっと朝夕の気温が下がり,冬物の準備をせき立てられる日々が出てきた.1年前から町会の役員を仰せつかっていたため,役員として金沢マラソンの応援要員としてかり出された.先日の台風の影響で北陸新幹線が珍しく運休していたが,10月25日にはほぼ平常並のダイヤに戻った.金沢マラソンに間に合わせた感がある.日曜の朝,8時30分に沿道の町会担当場所に出向いたが,誰もいなかったので場所を間違えたかと思いつつ,日頃は車で通り過ぎる沿道周辺を散歩する機会を得た.20℃前後で少々肌寒さを感じたが,周りの木々は紅葉し始めた様子で景観のカラフルさを満喫できた.少しずつ,応援要員が沿道に集まり始めたがその中に顔見知りがいなかったため,応援場所を間違えたのかと思い,沿道を探し廻った.すると,町会長が探しに来てくれて,応援担当場所が事前案内場所から変更した事を伝えられた.マラソンのスタートは8時40分で予定の応援場所にはトップランナーが9時10分頃に来るという情報は持っていた.正確にトップランナーはやって来た.その後,第2集団,第3集団とマラソンをしていると一目で分かる人々が面前を走り過ぎた.その後,続々と道幅一杯の群衆がやって来た.参加者は14256人(北國新聞発表)だった.笑顔もあれば真っ赤な顔をして息絶え絶えの顔も通り過ぎていった.着ぐるみを着ては走る人,スマホで周りの写真を撮る人,誰かと話す人など様々なランナーが目の前を走り(?)抜けていく.その様子は多様性に富み,一人一人の個性を見ているような錯覚に陥った.また,2時間余りで1万人を超える人を見続けると何か現実離れした空間が不意に現れて,気分が悪くなった瞬間もあった.その意味で,折角の朝にわざわざ走ることがそれほど好きでない人間が見知らぬ人を応援する時間の価値を不思議に納得出来た.上述したノーベル化学賞受賞者の吉野彰氏もこのマラソンに参加していると聞いていたが確認出来なかった.その代わり,オリンピックマラソンランナー候補の猫ひろし氏の顔は確認出来た.マラソンと言えば金栗四三(カナクリ シソウ)であろう.夢と消えた東京オリムピック(1940年)が1964年に実現し,そのマラソン競技で円谷幸吉(ツブラヤ コウキチ)選手が銅メダルを獲得した.彼は初マラソンからオリンピックマラソン選手になるまでの期間が7ヶ月1日という日本男子陸上史上最短記録を持っている.ちなみに,女子マラソン界での小鴨 由水(コカモ ミユ)選手の6ヶ月6日というレコードには及ばないが.東京2020のマラソン会場が変わるという話題も持ち上がって来ている.
 何やら色々な事があった1ヶ月であったが,やがて北陸は「ぶり興し」という雷と霰や雹が降る時期になる.それと同時に日本海が荒れ出し,寒ブリや蟹のおいしい季節がやってくる.12月には20年ぶりに金沢でAsia Pacific Industrial Engineering and Management Systems Society(APIEMS2019:http://www.apiems2019.org/)の国際会議を開催予定である.その準備に追われながら,先日町内会の秋の清掃美化で避難場所になっている公園の泥上作業で腰を痛めた.その腰痛を抱えて何とか今月も無事生き延びられたことに感謝する.
 
以上

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