コラム KAZU'S VIEW
2017年12月
丁酉(ヒノトトリ)を振りかえって思うこと
今年の1月のコラムで、丁酉(ヒノトトリ)の由来、意味合いを紹介した。安定し、余計なもの、邪魔なものが取り払われ、収穫の成果を得る年とされた。そこで、この1年のコラムのタイトルと「キーワード」を振り返り、自らのこの1年の心の動きと変化を見てみた。
1月:丁酉(ヒノトトリ)を迎えて、「初詣」、「風見鶏」、「雄鳥」。
2月:何やら日本の北の方が騒がしい、「日本海」、「春一番」、「朝鮮」。
3月:想定外の春一番は脅威か機会か?
「計画された偶然性」、「生きるということの芸術家」、「Learner autonomy」
4月:トランプ旋風は東アジアからヨーロッパへと吹き渡るのか?
「ヨーロッパ」、「ユーラシア大陸」、「民族大移動」。
5月:韓流ドラマ千秋太合(チョン チュテフ)のメッセージは?
「契丹と高麗の太后」、「蛮族」、「源平の戦」。
6月:古都奈良に来て,ご当地キャラの変化から古(イニシエ)を思った
「ご当地キャラ」、「遷都1300年」、「サプライチェーン」。
7月:ランディ・パウシュ(Randy Pausch)教授の最後の講義を見て
「Childhood Dreams」、「夢の実現」、「人生は積分値」。
8月:2度目のポーランドは印象が薄かったが、残るものはあった
「夢が苦手を克服」、「リノベーション」、「夢への執着」。
9月:実学の意味を改めて教えてもらった石黒信由(イシクロ ノブヨシ)とは?
「地図」、「物作り」、「頭と手先の器用さ」。
10月:人は幸せになるために学ぶ,その幸せとは?
「心の動き」、「一身独立し」、「脳チップ」。
11月:笑いの本質とは?“わろてんか”に見るサービスの本質
「smileとlaugh」、「サービス」、「学びの共創」。
12月12日の漢字の日に京都の清水寺で発表された今年の漢字は「北」であった。2月、5月(千秋太合は朝鮮北部が舞台)、8月(ポーランドは日本より緯度が高い)がこの漢字に関係が深い。話題は政治(1,2,4月)、歴史(5,6,8,9月)、教育(3,7,10、11月)になっている。女性を引用しているのは1,3,5,11月になっている。1月のコラムで世界の動きを男がリードすることを予想したが、女性を引用したコラムが4回であったことは私の心の動きにはその傾向が現れているようである。
12月2日から5日までIndonesiaのYogyakartaをAPIEMSのフェロー会議、理事会出席のために訪れた。インドネシアは2002年8月に自動車部品生産ネットワークの研究のための実態調査でJakarutaを訪れて以来、15年ぶりであった。今回の訪問の第1目的は、現在会長を務めている学会が台湾の学会と連携事業を進めるための覚書調印式を当地で行うことが半年前から予定されていたことであった。当地はちょうど、雨期であり、気温も30℃ほどであった。冬の日本との温度差はこの年になると結構負担になる。今回訪れたYogyakartaとは平和の町、という意味だという。帰路、人並みでごった返すアジスチプト国際空港(Adisucipto International Airport)のセキュリテイ−チェックでウエストポーチを忘れていたことをチェックインカウンターで気づき、不安に駆られながら戻ってみると、X線透視機の上に置かれていたのを見て、ホットするとともに平和の町の意味を実感した。しかし、予定便は2時間遅れで、スカルノ・ハッタ国際空港(Soekarno–Hatta International Airport)に着き、真夜中の広い空港を端から端まで走らされ、やっと羽田便に乗り込んだ。また、Yogyakartaという町は、インドネシア独立戦争時(1945年〜49年、主にオランダからの独立での戦いを意味する。その後、1950年8月15日に単一のインドネシア共和国として建国)に臨時の首都がおかれていた。この町で一番、印象に残ったことは交通渋滞であった。10キロ程度の距離を移動するのに、1時間を覚悟する必要があった。但し、タクシー代は驚くほど安いような気がした。
この1年の収穫は何かを、問うてみると何ら実感がない。久しぶりのヨーロッパの旅は、東西10時間越の航空機の中の時間のつぶし方がかなり負担に感じたこと。それに比べ、南北の気温差が意外にダメージではなかったことに気づいたこと。この程度の自己変革は年の成り行き。これに贖(アガナ)う何かを戊戌(ツチノエ イヌ)の年に求めて行きたい。
以上
平成29年12月