コラム KAZU'S VIEW

2015年02月

あなたの志(ココロザシ)は何ですか?にみる松陰イズムの生みの母

「花燃ゆ(ハナモユ)」は今年のNHK大河ドラマである。吉田松陰の松下村塾(松陰塾)を舞台に、幕末から明治を動かす若者の肝っ玉母さんが主役である。杉文(楫取 美和子(カトリ ミワコ)がその人である。久坂玄瑞(クサカ ゲンズイ)に嫁ぐも、彼の死後、実姉の元夫で群馬県令や貴族院議員を歴任した楫取素彦(カトリ トモヒコ)と再婚してこの名前になった。
吉田松陰については、2004年5月のコラムで、彼の言葉で一番共感性をもった「草莽崛起(ソウモウクッキ)」を取り上げた。しかし、その彼の妹の存在は、このドラマで初めて知って、大変興味を深めた。
彼女の父親は、杉百合之助(常道)といい、兄弟は、梅太郎、寅次郎(吉田松陰)、敏三郎、姉に千代、寿、艶の4女だったという。艶さんという方は、文さんの生後すぐに亡くなったらしく、長女の千代は児玉祐之に、次女の寿は小田村伊之助(後の楫取素彦)に嫁いでいる。文という名は、叔父であり松下村塾の創立者である玉木文之進から一字をとって与えられたとされている。玉木氏は、甥の吉田松陰や杉民治(スギ ミンジ)、宍戸璣(シシド タマキ)らをおしえ、藩校明倫館塾頭、代官、郡奉行などを歴任したが、萩の乱に一族や門弟が関係した責任をとり、明治9年に自刃(ジジン)している。67歳であった。
このドラマの脚本は、大島里美と宮村優子の二人である。大島女史は、「1リットルの涙」や「恋するハエ女」がある。宮村女史は、「ぴあの」や「春よ、来い」など、多くのNHKドラマを手掛けている。
女性から描く、松陰がどのようなものか楽しみであるが、松陰が弟子に問う「あなたの志は何か?」は感動を禁じ得ない。「身はたとえ、武蔵の野辺に朽ちぬとも とどめ置かまし 大和魂」。貴方の生きざまを自分で振り返った時、その志をどこまで貫けたのか、自らに問え。それは次代へのメッセージになろう。そのメッセージは千人に一人、万人に一人であっても分母ではなく、分子の方に価値を見いだせ。それが、大和男の心意気だ!されど、大和撫子も侮れない、手ごわい相手ではないか。
志とは見果てぬ夢、Impossible Dreamなのだろうか?ドンキホーテよ!
以上
平成27年2月

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