コラム KAZU'S VIEW
2014年10月
初孫に初めて接した時に感じた戸惑いは、何を意味するか?
初めての孫に接した時、自分の娘、息子の顔は定かには覚えていないけれど、孫となると多少の余裕を持ちながら眺めることができた。その時、やはり顔の印象は薄いけれど、彼女の目の動きに、印象深いものを感じた。被害妄想かもしれないが、彼女から、最初は直視してもらえたが、2度目からは斜め視線で見られたような気がした。女性は、生まれながらにして、女であることを、その視線から感じたような気がした。
日本人は、世界の高齢社会の先端を走っている。日本女性の平均寿命は、2013年統計によると86.61歳で世界一位。ちなみに、男性の平均寿命世界一は、同年度統計で香港の80.87歳、日本は2位のアイスランド、3位のスイスに次いで第4位、80.21歳らしい。日本男児も平均余命(寿命と同義語)で80歳を超えた。2014年に生まれた彼女は22世紀を生きる人になれる可能性がかなり高い。22世紀の日本女性の平均寿命はどのくらいになっているのだろうか?
この年になると同級生のお悔やみの報を度々耳にして、それほど驚かなくなってきている。それだけ死に対する距離感や馴染み感に自然に慣らされてきたように実感する。テレビドラマやニュースを見て涙が出る回数が増えるのに比べ、心の振れの小ささが気になって来ている。肉体の衰えとともに、心の躍動感の衰えが、寂しく感じられる。視力の低下、老人性難聴、味覚の低下などなど、五感のセンサー機能が低下し、見えない、聞こえない、知らないことの幸せの意味もなんとなく分かるような気がする不思議な思いに駆られる。
後、どれだけこの世に生きられるかわからない我が身を思いつつ、家族の増える喜びに浸れる幸せを感じる不可思議(フカシギ:思いはかることも、言葉で議することもできないことを)な時を持つことができた。
以上
平成26年10月