コラム KAZU'S VIEW
2014年06月
FIFAブラジル大会の期待と結果の格差を埋めるものは?
6月12日からブラジルで開催されている2014 FIFAワールドカップ。同国での開催は、決勝戦が『マラカナンの悲劇』と呼ばれた1950年の大会以来64年ぶりである。今大会のスローガンは、All in one rhythm(感動を共感に!:自訳)だそうだ。マラカナンの悲劇とは、64年前のFIFAワールドカップの決勝第3戦がブラジル対ウルグアイで、20万人の観客が見守ったエスタジオ・ド・マラカナン・スタジアムでブラジルが先制の1点を取ったものの、2対1で敗北し、優勝の夢が潰(ツイ)えたことである。悲劇と言えば、ドーハの悲劇は記憶に新しい。FIFAワールドカップには、悲劇が伴うようだ。
そもそも、ワールドカップの名称はFIFAワールドカップトロフィーに由来する。優勝国・地域に贈られるワールドカップは、1930年にウルグアイで第1回大会が行われた際、この大会を企画・発案した当時のFIFA会長・ジュール・リメの寄贈した「ジュール・リメ・トロフィー」が始まりである。このカップは3キログラムの純金製で、フランスの芸術家アベル・ラフレールによりデザインされた。このカップは、1970年大会でブラジルが3回目の優勝を成し遂げた際、規定で永久保持となったため、それに代わる優勝トロフィーのデザインを一般から公募したものである。この初代カップは、1966年のイングランド大会とブラジルに永久譲渡された後の1983年に盗難に遭い、一説には溶解されたと言われ、現存していない。現在のカップは2代目で、イタリア人の彫刻家、シルビオ・ガザニガのデザインによる。この優勝杯は当該大会の優勝決定後、優勝国のサッカー協会に保存され、4年後の本大会開会式の際に返還されていたが、2005年にそれまで18金だったものが純金製の3代目トロフィーとなり、保安上の理由から西ドイツ大会(1974年)以後は優勝国へのトロフィーの授与は行うものの、それ以後の優勝国への保存はなくなり、閉会式終了後再びFIFAが管理することとなった。なお、優勝国にはトロフィーのレプリカが贈られる。
侍ブルーは決勝リーグには進めなかった。前回の南アフリカ大会では、その前哨戦で敗戦続きで、岡田監督交代の大合唱もあったが、想定外に活躍し、決勝リーグに進出した。この際の日本の歓喜は記憶に新しい。今回は、その流れの中で、期待が高まり過ぎたきらいもあり、1勝に手が届かなかったという現実は、サービスマネジメントの基本である、サービスの品質は期待品質マイナス実質品質の差と定義されるがごとく、盛り上がり不足の状況を呈(テイ)した。
「今日の我に、明日は勝つ。」は、昭和の歌姫、美空ひばりさんの座右の銘だという。日本の「マラカナンの悲劇」は、明日への糧(カテ)となることは祈る。さて、本家「マラカナンの悲劇」はどのような結末となるのか、楽しみである。
以上
平成26年6月