コラム KAZU'S VIEW

2014年04月

孔子にみる人財育成の範

中国歴史ドラマ「孔子」というテレビ番組を番組の第1回を見た。紀元前552年(551年という説もある)から紀元前479年の生涯だとされるが、この時代は、周王朝が衰退の一途をたどり、諸国の覇権争いが激化していた春秋時代。2011年6月のコラムで孫子について触れたが、同時代である。身長は9尺6寸、216cmの長身(春秋時代の1尺=22.5cmとして計算)であり、かなりの長身だったようである。3500人(史記では3000人とされる)の弟子がおり、特に「身の六芸に通じる者」として七十子(シチジッシ)がいたとされる。そのうち、特に優れた高弟は孔門十哲(コウモンジッテツまたは四科十哲)と呼ばれ、その才能ごとに四科に分けられている。すなわち、徳行に顔回(ガンカイ)、閔 子騫(ビンシケン)、冉 伯牛(ゼンハクギュウ)、仲弓(チュウキュウ)、言語に宰 我(サイガ)、子貢(シコウ)、政事に冉 有(ゼンユウ)、子路(シロ)、文学(学問のこと)に子游(シユウ)、子夏(シカ)である。孔子と彼の高弟の言行を孔子の死後、弟子達が記録した書物が論語(ロンゴ)であり、孟子、大学、中庸と併せて儒教における四書(シショ)とされる。孔子の教えは、社会には「礼(規範)」とよぶ秩序が必要であり、それには人を思いやる「仁(人間愛)」とよぶ心が大事だと説いている。                    
ドラマでは、孔門十哲の1人で外交の才と商才を兼ね備えた人物の子貢がその師である孔子の物語を語る形式をとっている。孔子の母親は顔徴在(ガンチョウザイ/ソン・ジア)、父親は魯の将軍、孔叔梁(コウシュクリョウ/ワン・シュエチー)という設定になっている。父親70才、母親17才の時に生まれ、腹違いの姉九人、兄一人がいたらしい。孔子の師は季礼(キサツ)とされる。季礼は呉の初代王、寿夢(ジュボウ)の息子のうち賢人として名高い。
孔子が71才のとき弟子の顔回が孔子思想を実践して赤貧を貫いて死に、72才のとき弟子の宰我が斉で戦死。73才のとき弟子の子路が衛で謀反の際に主君を守って惨殺され、74歳にして孔子はこの世を去る。弟子たちは、三年間の心の喪に服した後、去っていった。
優れた弟子が、教えを貫き、自分より先に逝(ユ)くのを見届ける師の心とはいかようなものなのか。ドラマの今後の展開にそんな疑問を持ちながら、楽しもうと思っている。                       
以上
平成26年4月

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