コラム KAZU'S VIEW
2013年11月
楽天イーグルスの優勝は東日本大震災復興と日本再生への第1歩になるか
平成25年プロ野球日本一を決めるコナミ日本シリーズ2013(7試合制、4戦先勝方式)は3日、仙台市の日本製紙クリネックススタジアム宮城で第7戦が行なわれた。パ・リーグ優勝の東北楽天ゴールデンイーグルスがセ・リーグを制した巨人に勝ち、対戦成績を4勝3敗として、球団創設9年目でシリーズ初制覇を成し遂げた。 その前日、160球を投げ完投した田中将大(タナカ マサヒロ)投手が自己推薦で登板し、クローザー役を務めた。最高殊勲選手にはシリーズ2勝の美馬学(ミマ マナブ)投手が選ばれた。楽天の星野仙一(ホシノ センイチ)監督は、阪神監督時代の2003年以来4度目のシリーズ挑戦で初の日本一となった。巨人の2年連続23回目の優勝は潰(ツイ)えた。この日本シリーズはシーソーゲームで最終戦までもつれ込んだ。田中投手が第6戦で負け投手となり、開幕からのシーズン24連勝に前年からの28連勝と、これにポストシーズンの2勝を含めた30連勝の3つがここで途絶えた。しかし、この3つはギネス世界記録として認定された。楽天イーグルスという球団の誕生は、2004年6月に大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併に端を発したプロ野球再編がきっかけである。当時、日本プロ野球の新規参入球団は50年ぶりで、近鉄とオリックスの選手からなる合併球団をオリックス・バファローズと新規球団の東北楽天ゴールデンイーグルスに振り分ける形でのスタートとなった。第4代目監督として2011年に星野氏が就任し、東北地方に本拠地を置く、初めての球団が楽天であった。その誕生経緯も含め、現存するプロ野球12球団中、最も歴史の古い読売巨人と、最も歴史の新しい楽天イーグルスとの戦いという意味で、このシリーズはプロ野球と同時に日本の新たな動きを象徴するものでもあったと思う。 今年は、あまちゃん、八重の桜など東北をテーマにしたテレビドラマが大きな話題を呼んでいる。この動きに楽天のプロ野球日本一が更なる勢いをもたらしたのではないか。戦後の復興において国民体育大会、全米水泳選手権大会(フジヤマノのトビウオ)、第15回オリンピック大会など、スポーツが日本人の精神面で果たした効果は大きい。2011年3月11日の東日本大震災から2年半の時間が経過した。この時間が多くの日本人の心を癒(イ)やしつつあるのでないか。また、それを多くの日本人が受け入れつつあるのではないか。楽天イーグルスの優勝、田中投手の神がかりな精神力と行動力は日本人の心の動きとして共感の輪を広げ、共鳴へと繋がろうとしている。その振り子の動きを見守りたい。
以上
平成25年11月