コラム KAZU'S VIEW

2012年12月

タイのプーケットで見た蛇の意味

12月2日から5日までタイのプーケットに出かけた。APIEMS2012の理事会参加が主目的であった。プーケット国際空港につくと2人の元留学生が迎えに来てくれていた。この2人は平成22年1月から3ヶ月間、タイのKing Mongkut's University of Technologyから特別研究生として私の研究室に滞在し、物流関係の研究活動を行った。この大学からはその後も女子学生を1名、研究生として受入れた。
2人の学生の案内で観光ドライブに出かけた。ビッグブッダ(タイ語ではプラ・プッタミングモンコン)という、高さ45m、幅25mの大理石作りの巨大な大仏像を見に出かけた。小高い山の頂上にその大仏は建立中(コンリュウチュウ)で、5年後に完成するということだった。建設費用は基本的に寄付によって賄(マカナ)われているとの説明であった。鎌倉の大仏のように中に人が入れる構造になっているらしい。大仏の近くでは大理石の切れ端が販売されており、それに自分の名前やメッセージを書くと、その切れ端が大仏の一部になると聞いて、3人で思い出として書き込んだ。また、大仏の台座の傍(カタワラ)には高さ5m程の黄金の仏像があり、その台座には7つの頭を持つ大蛇がとぐろを巻いていた。シャロン寺院(ワット・チャロン)も訪れたが、そこでも蛇のモチーフがあちこちにあった。タイでは蛇は幸運と富の象徴であると留学生から説明を受けた。日本の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を思い出した。しかし、八岐大蛇は頭が八つである。この数字の違いは何なのか?ラッキー7(セブン)や末広がりの8など、数字のイメージはどちらも良い意味を持っている。
ドライブの帰りに、日没を眺められるレストランで夕食を取りながら、将来について熱く語りあった。その会話の中で、私には日没が1日の穏やかな終わりを意味するイメージに写ったが、留学生の2人には新たな明日に続く、明るい継続へのイメージに写っているように会話の内容から連想した。彼らの頼もしさを心強く受け止めると共に、彼らとの距離感に少し、寂しさも横切った。
私の辰年は、還暦を過ぎて、最初の1年であった。第二の人生の事始めの年に、長男の結婚、家内の入院、真珠婚(シンジュコン)式、そして初めての自宅改修工事と家庭・家族に関わる出来事が多くあった。そして、年末にプーケットで南国の夕日と留学生の熱い心を感ずることが出来た。その時出会った蛇は幸運と富のシンボルであった。ここでの富は単に経済的な豊かさだけではなく、心の豊かさ、物の豊かさを意味すると思う。来年は巳(ミ)年である。来る新年が幸運と富をもたらす年であることを心から願う。
以上
平成24年12月

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