コラム KAZU'S VIEW

2012年11月

30年目の結婚記念日に思うことは

今年で結婚して30年目を迎える。長いようで、短い年月のような気がする。家内はこの夏に、7時間以上の手術をした。この30年を象徴する出来事のような気もする。結婚当初を懐(ナツ)かしく思い出す。大学で助手をしていた当時、学位論文を書き出していた時であり、それなりに、ある程度の将来像も描いていた。この将来像は、その後、想定外の出来事が出てきて、かなり違ったものになった。しかし、その想定外を結構楽しむことができ、満足感は高い。新婚旅行は伊勢神宮だった。その1週間後にシンガポールで学会があり、その発表原稿準備のため、結婚式の前日まで研究室で論文のタイプ打をしていたことを思い出す。当時はワープロなど無く、電動ではあったが、タイプライターを使っていた。旅程ではシンガポールの帰りに、台湾を回る予定であったので、家内と台湾で落ち合うこととした。しかし、シンガポールで体調を崩した私は、台湾に入ってから地元の同窓会での乾杯責めにあって、さらに体調を悪くし、結局、台湾滞在中はホテルと病院の間を行き来しただけであった。新婚旅行の時は家内が体調を崩した。その後も、二人で出かけると、どちらかが体調を悪くすることが続いた。しかし、2010年6月にスペインのBilbaoで第21回 ISPIMに初めて夫婦で出席して以降は、そのようなことが無くなった。
家内の病室を訪ねるたびに、自分が如何に好き勝手に生きてきたかを思い知らされるような気がした。結婚以来、毎年、最低1回は海外に1人で出かけてきた。その結果、海外の友人の数は私の最大の財産となっている。また、国際学会の理事や会長などの役割を受け持つことができた。また、この4月には長男が結婚し、新しい家族が増えた。30年の間に家族の関係も変化して来ている。
還暦(カンレキ)の意味を振り返り、新たな人生を見据えて、これからの夫婦の「ありたい姿」を描く時、財津和夫(ザイツ カズオ)作詞・作曲の楽曲「青春の影」にある、「・・自分の大きな夢を追うことが、今までの僕の仕事だったけど、君を幸せにする、それこそがこれからの僕の生きるしるし・・」の言葉が、素直に共感を持てる年になったことを、少々、寂しい気もするが、大いに楽しみたいと思う。
以上
平成24年11月

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