コラム KAZU'S VIEW

2012年06月

エデイプス・コンプレックスの解答はおネエ達が持っているか?

テレビ番組で「芸能界におけるおネエの歴史」という話題を扱っていた。カルセールマキ、ピーター、オスギとピーコ、KINNYA、IKKO、はるな愛、マツコデラックス、クリス松村、楽しんご、ミッツマングローブ・・・・。ちなみにピーターの誕生日は私と同じでることを、友人から知らされた。その友人も同じ誕生日であった。もの心ついて最初にこのような世界を感じたのは美輪明宏(ミワアキヒロ、1971年までは丸山明宏)というシャンソン歌手であった。大学生の時、歌声喫茶(ウタゴエキッサ)というものの存在を知り、いくつか回っている時に銀座にある銀巴里(ギンパリ)というシャンソン喫茶の存在を偶然知って、興味本位で出かけ、そのステージで彼の歌を聴いた。その後、三島由紀夫(ミシマ ユキオ)の黒蜥蜴(クロトカゲ)など芝居に出て、不思議な妖艶(ヨウエン)さを社会に情報発信していた。男とも女ともつかない摩訶不思議(マカフシギ)の世界がそこにはあった。彼の作詞・作曲によるヨイトマケの唄の歌詞に見るように、母親に対する敬慕の情を強く持っていたのではないかと推測される部分がある。
ところで、エデイプス・コンプレックスとは、エジプト王のオイデイプスが、知らなかったとはいえ、父王を殺し、自分の母親と結婚(親子婚)したという物語を基にして、心理学者のジークムント・フロイトが、心理状況の中にみられる異性としての母親を愛情対象とする欲望をエデイプス・コンプレックスと呼んだ。男はこの呪縛(ジュバク)から、逃れようと試みて生きていく。遺伝子としてxy染色体という不完全なもの持って生まれた宿命を背負いつつ、完全さを求めドンキホーテの如く、闇雲(ヤミクモ)に突き進むことしか知らない存在が男であるような気がする。
この、宿命を乗り越えるヒントがおネエにあるのではないか、とふと思った。男女の両性につかず、離れずの距離感が持てる存在、男女両面からアクセス出来る優位性をもつ存在。かつての摩訶不思議の世界を醸(カモシ)し出しているのは、こんな所にあるのではないか。
以上
平成24年6月

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