白鳥路にある三文豪の碑



三文豪とは・・・金沢出身である泉 鏡花、徳田秋声、室生犀星の3人のことです。
泉 鏡花は浅野川沿いの道に出世作「義血侠血」のヒロインである滝の白糸の姿をかたどった像が、 徳田秋声は卯辰山 に碑が、室生犀星は 犀川 沿いの道に記念碑があります。
それぞれの文豪にゆかりのある場所です。



泉 鏡花の道(00'55")

父は工芸家、母は鼓の名手と言う芸術家の流れを継いで生まれた鏡花は伝統美に彩られた金沢の土地柄を最も強く表現した作家です。上京し、尾崎紅葉の門下生として歩み始め、数々の作品を世に送り出しました。金沢を舞台にした作品「義血侠血」は無償の愛に殉じた女「滝の白糸」の名で知られ、新派十八番の一つになっています。その他の代表作として「照葉狂言」「高野聖」などがあげられます。


徳田秋声文学碑(00'45")

自然主義文学の代表作家として有名な秋声は浅野川近くに生まれ、文学を志して上京し尾崎紅葉の門下に入りました。処女作「藪柚子」で名を挙げ、鏡花と並んで紅葉門下の四天王の一人に称された秋声はやがてその代表的作品「黴」(かび)をはじめ、「町の踊り場」「縮図」など多くの作品を世に残しました。その中の一つ「挿話」はひがし茶屋街を舞台にした短編集で味わい深い一作となっています。


室生犀星の道(01'23")

犀川近くの武家屋敷で生まれた犀星は幼い頃に近所の雨宝院へ預けられ恵まれたとはいえない幼年時代を過ごしました。句作から文学の道を歩み出した彼の出世作「性に眼覚める頃」は金沢を舞台にした作品です。続いて「蒼白き巣窟」「美しき氷河」などを発表し、特異な感覚的表現が注目され、作家としての名を高めました。代表的な作品として「あにいもうと」「杏っ子」などがあります。


この三文豪のほかに金沢にゆかりのある作家


島田清次郎・・・金沢市出身。大ベストセラーとなった「地上」を発表。天才作家と呼ばれた。
尾山篤二郎・・・金沢市出身。室生犀星と幼少時代から親交があった。「さすらい」「秋の郷愁」など。
杉森久英・・・・七尾市出身。島田清次郎の生涯を書いた「天才と狂人の間」で直木賞を授賞。
五木寛之・・・・「朱鷺墓」「ステッセルのピアノ」「金沢望郷歌」など金沢を舞台にした作品が多い。
中原中也・・・・金沢に住んでいたことがあり、その時の様子を「金沢の思ひ出」に執筆。


参考資料
1るるぶ石川 JTB (1998)
2四季のめぐり逢い金沢 金沢市経済部観光課

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