研究者一覧

安全で安心な生体置換部品の最適化・オンリーワン製造加工技術

名前新谷一博 工学博士
所属機械工学科 教授
E-mailshintani@neptune.kanazawa-it.ac.jp
研究内容複合高精度加工技術を用いた生体置換部品への適用

 近年,高齢者の増加により老人性疾患による患者数が増加しており,その治療方法として生体の一部を機械部品へと置換する医療法が用いられている.しかし,現状の置換治療では患部にマッチングしていない部品の使用が原因で手術後の後遺症に悩むケースが多い.本研究では,これまで文部科学省の「ハイテクリサーチ」 採択プロジェクトの中で開発してきた個々の患者のX線CTを用いた患部形状取り込み手法とヒューマンフレンドリーな医療部品加工法を基盤として,安全で安心な医療部品の最適化・オンリーワン製造加工技術の構築を目指しています.特に,多くの加工工程(異種機械の組み合わせ)を必要とせず,一度の取り付け姿勢で完成品までを同時加工することにより,複雑かつオリジナル形状を有する医療部品の高精度加工の実現と,併せて人に優しい加工環境も同時に実現するような総合的加工法の開発に取り組んでいます.

 

  • 研究分野

生産工学,切削工学,無機材料,トライボロジー,医用工学

 

  • 所属学会

(社)精密工学会,(社)日本臨床バイオメカニクス学会,(社)砥粒加工学会

 

  • 現在の研究課題

・  cBN(立方晶窒化硼素)工具材料を用いた超高速条件における精密加工に関する研究

・  地球環境にやさしく高能率な加工システムの構築に関する研究

・  特殊セラミックスやコーテッド工具の材料設計とこれを用いた難加工材の能率加工に関する研究

・  医療現場で望まれている患者個々に適応したインプラント(人工関節)の成形加工の基礎的データの構築

 

  • 採択研究プロジェクト

・  日本学術振興会・科学研究費補助金基盤研究(C)一般,「人工股関節用インプラント材の成形加工に関する研究」平成13〜14年度

・  日本学術振興会・科学研究費補助金基盤研究(C)一般,「人工関節の高強度化とバナジウムフリーβ型チタニウム合金の導入に関する研究」 平成15〜 16年度

・  日本学術振興会・科学研究費補助金基盤研究(C)一般,「ヒューマンフレンドリーな人工関節用ライナーの創製に関する研究」 平成17〜18年度

 

  • 主な研究業績

・廣崎,新谷他:人工股関節ステムのカスタムメイド設計手法の開発,精密工学会誌Vol.74,3,2008

・新谷他:ヒューマンフレンドリーな医療部品の切削加工に関する基礎的研究,砥粒加工学会誌Vol.48,3,2004

・廣崎,新谷他:バインダレスcBn工具を用いた生体用チタニウム合金の高速ミーりング加工,精密工学会誌Vol.72,11,2006