研究者一覧

安全で安心な複合材料構造物のためのライフサイクル設計技術

名前金原 勲 工学博士
所属副学長  ものづくり研究所 所長
E-mailkimpara@neptune.kanazawa-it.ac.jp
研究内容き裂進展挙動のFEMシミュレーションを組み込んだCFRPの損傷許容性設計システムの構築とプログラム化

 我が国の複合材料の黎明期から,複合材料の変形・破壊機構の研究,FRPの材質評価試験法や非破壊検査法の開発,複合材料に適した軽量構造・継手構造の研究,さらには最近のリサイクル・リユースの環境問題,スマート材料・構造への展開等,複合材料に関する様々な問題に研究範囲を広げ,主として評価・設計の観点から先端材料を構造材料へ橋渡しするための研究を行い,材料開発のニーズと産業界のシーズを結びつけることに様々な面から関与してきました.

 これまでの主な研究活動としては ・1970-1983 複合材料による軽量構造設計,複合材料の変形・破壊機構に関する研究・1984-2000 複合材料の材質評価試験法の開発・標準化,スマート材料・構造の設計開発,高分子系複合材料のライフサイクルアセスメント(以上,東京大学)・2001-現在 破壊機構解明を基盤としたCFRP積層板の構造信頼性評価に関する研究(金沢工業大学)

 最近は複合材料の中でも,機械構造部材として多用されているCFRPの損傷許容性の明確化による構造信頼性確立に向けて,要素技術を統合化したライフサイクル設計手法開発の一翼を担おうとしています.

 

  • 研究分野

複合材料工学,実験/計算力学,非破壊検査工学,信頼性工学

 

  • 所属学会

日本複合材料学会,強化プラスチック協会,先端材料技術協会,日本船舶海洋工学会,日本航空宇宙学会、日本材料学会,日本機械学会,日本非破壊検査協会、日本高圧力技術協会、日本計算工学会、日本実験力学会

 

  • 現在の研究課題

・ 複合材料構造の損傷許容性評価に関する統合化アプローチ

・ CFRP積層板の衝撃損傷および衝撃後疲労に関する研究

・ 多軸ニット織布積層板の高効率VARTM成形に関する基礎研究

・ 生分解性複合材料の成形と力学的特性評価

 

  • 採択研究プロジェクト

・  米国海軍研究開発本部(ONR),「Verification of Accelerated Testing Methodology for Long-Term Durability of CFRP Laminates for Marine Use」,平成18〜20年度(代表)

・  日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(C),研究課題番号:1656070,「多軸織物基材と真空樹脂含侵によるFRPユニット構造の成形と継手構造の開発」,平成16〜17年度(代表)

・  ふくい産業支援センター(戦略的基盤技術高度化支援事業),「軽量で耐衝撃性に優れた安全性の高い先端複合材用繊維基材の開発」,平成19〜21年度(代表)

 

  • 主な研究業績

・ Saito H, Kimpara I, Evaluation of Impact Damage Mechanism of Multi-axial Stitched CFRP Laminate, Composites Part A: Applied Science and Manufacturing, 37 (2006) 2226-2235.

・ Saito H, Kimpara I, Damage Evolution Behavior of CFRP Laminates under Post-Impact Fatigue with Water Absorption Environment, Composites Science and Technology, (2008) , In Press, Corrected Proof.

・ Saito H, Kimpara I, Environmental effects on damage tolerance performance of CFRP laminate for marine use, 材料システム, 24 (2006) 27-38.