ミニ・ケース(16)検査機器開発とジェンダー

機械・情報工学

 私は大学院の機械工学専攻を1年前に修了してフューチャーマシナリー(株)に就職し,この春から製品の検査機器の開発部門に配属された.日本の製造業において検査不正が後を絶たない中で,私のチームでは検査不正にコミットしにくい検査機器の機能・デザインの開発を目指している.そのような機能やデザインがどこまで可能なのかよくわからないが,この開発部門で唯一の女性エンジニアとして,私は女性目線のアイデアというものを期待されているらしい.確かに検査不正は男性社会的な問題の気もするが,事実をごまかすことは女性にもあることだろう.ここで女性であることを持ち出されても困惑を覚えるが,自分のキャリアにとってはチャンスかもしれない.
 週明け月曜日の10時から,その基本方針を決める重要なミーティングがある.はたして,検査不正は組織のどのような問題に起因していて,それを男性社会的な何かと関連づけることはできるのだろうか.それを防ぐための機能やデザインがあるとしたらどのようなものがあり得るだろうか.また,そこにDXを組み込んでいくとしたら,どのような効果的なやり方があるだろうか.ぜひあなたの意見を聞かせてもらえないだろうか….

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Applied Ethics Center for Engineering and Science, Kanazawa Institute of Technology
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