2月の日記


 

2/1(火)

カチ、カチ、カチ、カチ・・・・・。

あれ、もう2月。静かな夜中の部屋は時計の音だけ大きく響くように聞こえる。

2/3(木)

カリッ、カリッ。

今日は節分なのだが、家では豆まきをしなかった。次男の幼稚園ではやったようだ。北陸では寒くて窓をあけて「鬼はー、外!」とはやりづらい。近所でもそのような声はぜんぜんしていない。

思い出すのは東京にいたころのことだ。私はマンションの二階に住んでいた。夫婦二人の生活だったが豆まきをやろうじゃないかということになって、外にも少し豆をまいた。歳の数だけ豆を数えていると、「カリッ、カリッ」という音が外から聞こえてきた。不審に思って窓をあけてみると、近所の野良猫たちがおいしそうに豆をたべていた。

今もそのときの音をよく覚えている。こういう予想外のことは、忘れ得ぬものなのだろう。

2/4(金)

ガヤガヤ・・・。ピーピーピー。チャッチャカチャカチャ・・・・・・。

今日から出張で金沢から岐阜へ。まちに出ると音が多い。駅では人の話し声。どこかでピーピーなっているのは一体何の音?

改札口は金沢駅はまだ自動改札ではなく人が立っているが、切符を切るはさみの音はしない。スタンプになってしまったからだ。そういえば昔は駅員さんがリズミカルにはさみを鳴らしていたっけ。

2/5(土)

ガラガラガラ・・・カターン。ブォーン。ファー。

公園で若者たちが何人もスケボーをしている。楽しそうだな。

岐阜は路面電車がまだ走っている。また、金沢と比べてバスも多いように感じる。ホテルの一室に居ても外の音がよく聞こえた。バスはエンジン音。路面電車は警笛。

2/8(火)

ゴオオオ・・・・。ヒュウゥゥ・・・。カコンッ、ココココ・・・・・。

今日は冬の嵐だ。風が吹き荒れ、雪が舞う。窓の隙間で音が鳴る。ゴミバケツが風で倒れ、ふたが転がっていったようだ。

2/11(金)

ザッザー、ゴロゴロゴロ。

越前海岸あたりをドライブした。呼鳥門の近くで車を止め、海岸に降りてみる。砂はなく、5cmから10cmの丸っこい石で覆われた場所だった。波が打ち寄せると、波の底で石が転がり、ごろごろという音を立てるのがおもしろかった。

2/12(日)

プアーッ。

車を運転していた時のことである。前の車が青になっても動き出す気配がないので、クラクションを鳴らした。予想外に甲高く、明るい音だった。今乗っている車は1999年の3月に買ったのでもう一年乗っていることになるが、クラクションはめったに鳴らさない。きっちりと鳴らしたのは今日がはじめてかもしれない。

2/15(火)

(音楽を擬音で表すのはちょっと難しい....)

今朝は、定期試験の監督をしなくてはならないので、8時過ぎに大学につく。金沢工業大学では、朝8時20分くらいから大学学園歌、校歌を放送している。また、講義の開始・終了のサイン音を大学構内のスピーカから流している。以前はチャイムだったのだが、数年前からメロディー音に変わった。最初はうっとうしい気がしたが、今はもう慣れてしまった。

2/17(木)

ガヤガヤ。ワハハッ。あーっ。ハハハハハ・・・。

一昨日くらいから雪が降り続いている。この冬一番の積雪量だ。私がいる建物の前は、研究室に配属になった学生くらいしか来ることがない空間で、雪がきれいに積もっていたのだが、学生たちが楽しげに雪合戦なぞしてぐちゃぐちゃになった。

2/18(金)

ィリリリリ・・・・。ビュ・・・ビュビュ・・・・・。

今日は出張。数日前から雪がなかなかやまない。飛行機の運行状況が心配だったがどうやら大丈夫そうだ。飛行機に乗り込むと、整備士たちが翼に何かを吹きかけている。恐らく着雪防止のための薬剤だろう。ノズルからの噴出音なのか甲高い連続音が聞こえ、ノズルから出た液体が翼にあたった音が室内にも聞こえてくる。

2/19(土)

モゴモゴモゴ・・・・。

東京で地下鉄の内幸町に行くため、新橋から地下に入ったところで妙な音が聞こえた。何やらもごもごとしたあまり品質のよくない拡声音だ。何を言っているのか聞き取れなかった。変な音がするなと思いつつも通りすぎた。ふと、音の出ていた場所の定位が、本来音が出ているはずの無い壁だったような気がして戻ってみると、壁のポスターの中央に直径7cmくらいのコーン型スピーカが取り付けられていた。

確かに珍しいポスターだった。そうやって誘目性が上がればポスターとして成功なのかもしれないが、私はその内容をまるっきり覚えていなかった。(笑)

2/20(日)

ポツ、ポツ、ポツ・・・。ドシャーッ。

この一週間はだいぶ雪が積もった。1日にどかっと降ることはなかったが、3日間くらいの間の積雪量は全部で50cm位にはなっているのではないだろうか。モズの早贄(はやにえ)のあった高さと一致する。今日は気温が高く、雨が降ったり、時折晴れ間がのぞいたりという天気だった。屋根の雪が少しづつ融け、時にシャーベット状になった雪のかたまりが落ちてくる。

2/25(金)

ピーッ。

大学の各校舎の入り口は日曜祭日や夕方6時から朝8時までは自動的に鍵がかかるようになっている。入るにはICカードになっている身分証明書をセンサーに認識させなければならない。カードを近づけるとピーと受付のサイン音がして自動ドアが一回だけ開くようになる。

このシステムになってから、身分証を忘れると入り口でおろおろすることになる。ただ、他に身分証を持っている人がいればその人について行けば良いし、出る際にはいらないので、建物から出る人があればそのときにすれ違いで入ることができる。学内のパソコンが盗まれたりしているので、セキュリティーに気を使うのも無理はないが、完璧なセキュリティーは難しい。

2/26(土)

ザッ、クシャ。サー・・・・・。

今朝は氷点下2.3度まで下がったと天気予報で言っていた。氷柱が80cmくらいに伸びている。こんなに大きな氷柱を金沢ではじめて見た。

雪が残っていると滑って危ないのでスコップで玄関先の雪かきをした。しかしこれを書いてる夜にまた雪が降ってきている。その雪だが、湿気っぽく重たい。風も無いのでまっすぐ地面に落ちてくる。雪は音もなく降るというが、窓から顔を出してじっと耳を澄ますと、微かに音を発しているように聞こえる。これは空耳だろうか。

2/28(月)

ジリリリリリリン。ピロロロロロロロロロッ。カーーーン・・・。

今日は建築学専攻の修士論文公聴会だった。学部の発表会や全国的学会でもそうだが、発表の時間経過を示すためのサイン音としてベルを鳴らす。発表終了予鈴(1分前とか2分前)は1回、発表終了は2回、質疑終了は3回ベルを鳴らす。これは現在の日本でかなり一般的になっていると思うが、海外などではどうなんだろう?

このベルは手加減が難しい。弱すぎると聞き取れなくて気がつきにくくなるし、強すぎるとけたたましくなって発表者や聞いている人の邪魔になる。電子式のタイマーは時間計測も正確で音量も適当なレベルになっているので楽だ。しかし、音は「ピロロロロ・・・」といういわゆる電子音らしい(?!)音であまり味がない。ベルとどっちが良いのかな。

1998年のサウンドスケープ協会の研究発表会では、ミニチュアの梵鐘を使った。しっとりした音で発表の邪魔にならず良かったと思う。


最終更新日 : 2000/10/05.