ピーポーピーポーォパープーパープー・・・・。
車に乗っていると対抗車線を救急車がやってきた。サイレンを鳴らしているのが聞こえる。すれ違うと途端に音程が低くなる。いわゆるドップラー効果だ。
ザァー・・・。バツッ、・・バツッ・・・。
今日はずいぶんと勢いよく雨が降る。土砂降り、ザアザア降り、とは私が今までよく使ってきた言葉だが、金沢に来て「じゃじゃ降り」という言い方を耳にするようになった。主に関西で使われている言葉だと思うがどうなんでしょう。
閑話休題。
折板屋根の通路を歩いていると、どこか他の屋根から落ちてくる水の音がする。バツッと大きく響くのは屋根の構造のせいだ。折板は構造的には充分なのかもしれないが、暑い日には熱がすごいし、今日のような雨だと雨音も結構がんがん響いてにぎやかだ。ここは廊下だから良いが、居室部分には少なくとも使っては行けない構造だ。
ザー、ゴー、ジョブジョブ。サー・・・。
金沢市の南、辰口町の七ツ滝というところを訪ねた。その名の通り、七段になった流れが森の中を駆け抜けるように流れる。滝に沿って散策路が整備され、滝のすぐ脇を歩いて行くことができる。大きな落差のあるところでは、2、3m離れたところでの会話がしにくくなる。
源流に工場や団地があるためか、水はあまり綺麗でない。しかし、小さな山の滝とはいえ、結構水量はあり迫力がある。
滝脇の道を登って行くと、山の頂上に続く。頂上には小さな地蔵がまつられている。まわりは雑木林。くぬぎの木が多い。梢を風が吹き渡り、木の葉はわずかにざわめく。
ブー。プー。フォー。
まなびピアへの参加で三重県四日市市に来た。会場へ向かうため近鉄線の西日野行に乗る。バスの様な電車。発車前にサイン音が3つも鳴った。車内のスピーカから「ブー」。ホームにあるスピーカでももうちょっと高い音で「プー」。最後に運転手が警笛を「フォー」と鳴らしてようやく出発。
ピーッ。ウィピ、・・・ウィピー。
空港では金属探知機のゲートをくぐらなければならないが、大き目のバックルのベルトをしているといつも引っかかってしまう。身体検査をするときはハンディタイプの探知機を使うが、金属部分にさしかかると音が徐々に立ち上がるせいか、「ウィピ」と面白い音がする。
サー、ガサガサ。
あわただしく教室に向かおうとして道をわたったとき、街路樹の音に気づいた。北陸ではもう秋も深まりすずかけの木が紅葉。昨夜はぐっと冷え込んで、もうすぐ冬を感じさせる風が吹く。
ウ゛ーウ゛ー。プー。「車が出ます」
駐車場から車が出るようだ。最初に注意を促すきつい音でブザーがなる。その後、あまり品質の高くないこもった音でプーとなって女声でアナウンスが入る。駐車場のブザーはいずこも大きく耳につく音。これはもう20年以上変わっていないんじゃないか。
ハックショ、ビーン。
ホテルの部屋で1人くしゃみをしたら、フラッターエコーが発生するのに気がついた。フラッターエコーとは、壁と壁の間で声が多重反射して「ビイイーン」(距離が短いとき)とか「パタパタパタ・・・」(距離が長いとき)のように独特の音色の響きが聞こえる現象である。
ピリリ。ピーピーピーピー。「バックします」。クシャ。
工事車両を誘導するため、ガードマンはホイッスルを鳴らして「まだ大丈夫」と「とまれ」の合図としている。トラックはバックギヤに入れると警告音が鳴る。この2つのコンビネーションが工事現場らしい。
そんな工事をしている大学も、もう秋の気配が濃くなってきているのがわかる。キャンパスの中の並木もすっかり紅葉している。落ち葉を踏むと微かに音がなる。
シュー・・・。ガン、キン、・・・カン、・・・ガン、・・・キキン・・・。
大学の暖房設備は新しいところは違うが、私のいるところはスチーム暖房。11月初旬から冬モードになって運転を開始している。運転し始めは、急に配管が暖まるため、「スチーム・ハンマ」という現象が起きる。配管をハンマでたたくような音が鳴り響くのだ。初めて聞く人はびっくりするだろう。
ピポーン、ピポーン。カシャ。「切符をお取りください」
名古屋に出張。米原で新幹線と在来線の乗換えがある。最近はほとんどの改札口が無人の機械式になっている。乗車区間分の特急券を含めて、切符をすべて入れないとゲートが閉じて警告音が鳴り、通せんぼされてしまうのだ。
切符をまとめて入れるタイプのゲートと、一枚ずつ入れるタイプのゲートの2種類ある。導入時期によって駅ごとに異なるので、時々間違えてしまう。無事に通りぬけるとカシャカシャ音がして切符が返却され、「切符をお取りください」と合成音声で言われる。改札にゲートが何台も並んで大勢通りぬけるとき、声が輻輳して、「きっぷをきっぷききっぷをを・・・」というような感じになってしまう。一体何が何だかわからなくなる。
バルバルバル・・・。
加賀産業道路を小松の方に向かっていると、上空にヘリコプターが飛んでいる。小松空港は自衛隊と民間の共同利用になっているから、自衛隊のヘリコプターかもしれない。
ボボッ、ヴイーン・・・。
そろそろ朝夕冷え込むようになり、我が家でもコタツとストーブが活躍しはじめた。ストーブを消すと、炎が急に下がってボワッと音を立てる。そのあと、消臭のためにモーターが回り始める。
昔の開放型のストーブにはそのようなものはなかった。消えるまでずっとぼあぼあと火がくすぶり、つんとくる石油の臭いで頭が痛くなりそうなほどだった。
シュカシュカシュカ・・・。チャキ、チャキ。ガサガサ。パサッ。ポトッ。ジコジコジコ。
生垣のウバメガシが伸び放題になっていたので、朝から選定バサミと脚立と大き目のシートを準備して剪定に取りかかった。剪定バサミは夏前に使ったきりで少々錆びていたので砥石で少し研いだ。
やや太くなってしまった枝は切ろうとしてもなかなか切れず、何回かガサガサと格闘する。地面に敷いたシートに落ちて、みるみる切り落とした枝が山のようになってゆく。
ウバメガシはどんぐりが良く実る。枝を揺らすと時折ぽとりと落ちる。枝が太くなりすぎてしまったものはのこぎりで切り落とす。全部剪定するのに2時間ほどかかった。ああぁ、腕が痛くなった。
ザブッ。パッチン。
子どもと一緒に風呂に入る。私はゆっくり湯舟につかり、足を伸ばして「いい湯だな」状態。子どもは一足早くあがってしまう。「おおい、ドアが開いてるよ。パッチンして。」しっかり閉めてと言ってもよいものを、子ども相手だとなぜかオノマトペでものを表現してしまう。これは誰でもそうなんだろうか。車はブーブー、うがいはブクブク、拍手はパチパチ、エトセトラ・・・。
キーン・・・・。フォー・・・・。カリカリカリ・・・・。
静かなところでパソコンをつけると結構いろんな音がする。ディスプレイからは高周波音。ファンからあたたかいノイズ。ハードディスクはものすごい速さで書きこむ音。
カチッ。バタン。
大学の7号館には新しくできた実験室が並んでいる。どの実験室も重たいがっちりした鉄の扉。
カサ、シャラシャラ・・・。
枯葉が落ちて風に舞う。もう秋も終わり、そろそろ冬の始まりだ。