リ、リ、リ、リ・・・。リィーン、リィーン。
秋深い夜、庭で鳴いている虫は、コオロギとアオマツムシではなかろうか。この前、一体どこから入ってきたのか家の中に青いバッタのような虫がいた。図鑑で調べて見るとアオマツムシのメスだった。メスだから鳴きはしなかったが、当然近くにオスもいるはず。
カク、バターン。
今のうちの玄関の扉が締まるときの音。祖母のうちは引き戸で鈴がついていた。ガララララという音がした。なつかしい。
シャリン、シャラン。
義母がカナダに旅行した折に熊よけの鈴を買ってきてくれた。かなり前に家に送ってくれたものを、研究室に持ってきた。熊は大きな体だが、高い音まで聞こえているようだ。そういえば阿蘇の熊牧場で熊の赤ちゃんを見た事があったが、猫のようなミャーミャーというか細い高い声で鳴いていた。子どもの声を親熊は聞き逃すはずはない。
ジャカジャカ、シャカシャカ・・・。
今週末は大学の学園祭。それで昼休みには音楽と共にPR放送を学内告知テレビを使って行っている。昼休みでもいろいろ仕事をしている身にとってはちょっとうるさいが、わくわくするような気分を伝えてくれるところもある。
(BGM)(アナウンス)×4?。ブルルブルルブルル・・・。ザワザワ。プッ。ピーピー。バタッ。ガサガサ。
羽田空港の搭乗口付近に陣取った。BGM、動く歩道の自動で再生される注意のアナウンス。搭乗機を告げるアナウンス。何かの機械。人々の話し声。係員のトランシーバの声。そのトランシーバの報知音とOFF時のノイズ。離陸して行く飛行機の轟音。保険をかける装置のガイドアナウンス。マイルレコーダのアナウンス。係員の作業音。まだ静かな朝の飛行場だがそれでも多くの音に囲まれている。
(掛け声『わっしょい』)カンカン。ジャラジャラ、リンリン。ドドン、ドン。
今日は地域のお祭りの日で、私も神輿を担いだ。町会を順番に引き継いで担いで行く。元町会長が音頭をとって、掛け声をかけ、拍子木をたたく。それに合わせて担ぎ手(大人8人)も声を出す。浅草の三社祭のように激しい担ぎ方ではないが、神輿は自然に揺れて、取りつけてあるすずや飾りがジャラジャラとなる。神輿のあとを子どもの太鼓行列が続く。台車に和太鼓を載せ、取りつけた長い紐を大勢の子どもが引っ張って歩く。2人くらいの子どもが最後尾で太鼓をたたく。でたらめなたたき方だが祭りらしいムードになる。
ガタンガタン・・・。ゴゴゴゴ・・・。
新大阪ガード下でホテルのシャトルバスを待った。薄暗いしあまり気分いいところではない。雨に濡れないでバスを待てるのは良いが。
ザワザワ・・・。
大阪から名古屋へ移動する。チェックアウトで部屋を追い出されて、しばしの間、新大阪駅の待合室に陣取った。雑踏の中にまぎれる心地よさ。椅子に座ってノートパソコン広げた。仕事は結構はかどるものだ。
ガツッ。
大学の中でもめったに行かない建物がある。入り口は観音開き。右も左も開くだろうと思って左のドアを押したら、ガツッといって開かない。いやな手応え。片側は鍵がかかっているようだ。なぜこういうことをするんだろうか。もう一ヶ所似たような場所があるが、ここはよく行くのでどちらが開くかもう憶えてしまった。
ガヤガヤ。ジャラジャラ・・・ジャラジャラ・・・。(勇ましい男性アナウンスと音楽)
三田の建築会館の裏に行くと、飲食店が多く立ち並ぶ細い通り。慶應大学と田町の駅を結ぶ通りでもあり、NECをはじめとする近くのオフィスの人々も多く来るところなので、昼時ともなると大変にぎやかだ。
その喧騒に拍車をかけるのが、一軒あるパチンコ店だ。人が出入りするたびに、出玉のなる音が大きな塊となって外に溢れ出してくる。それに勇ましく鳴り響く音楽。こもったトーンで独特の節をつけたアナウンス。マイクにきっと口を近づけすぎているに違いない。
ピーポーピーポー・・・。
なかなか救急車を聞く機会などないが、8号線を車でとおりがかった時に久しぶりに音を聞いた。音程を変えて音を鳴らすというのは、気づきやすい音を作るときの基本だろう。
パス、パス、パス・・・。
日曜授業参観で小学校へ行く。ヘラヘラの携帯用スリッパはちょっと歩きにくい。
トゥルルトゥルル・・・。ジリリリリ、ジリリリリリ。
携帯電話が鳴る。7月から使い始めたが、呼び出し音になじめずにいる。いろいろメロディーとかに変えられるようだが、ポケットに入れてずっとマナーモードにしている。
昔の電話の音をCDで聞いた。子どもはそんな電話を使った事がないはずなのに、すぐに電話の呼び出し音だとわかっていたのはなぜだろう。
リロリロリロ・・・。
今日は金沢大学の医学部3年の学生が3人訪ねてきた。衛生学の演習で不快な音について調べているそうだ。自分たちで工夫して実験もしているらしい。
不快な音である一般的な傾向としては(1)音圧が大きいこと(2)ジェット機のように周波数の高い線スペクトルを持つこと(3)急激に変動すること(4)倍音構造が不調和であること(5)基音より倍音の方が強調されていること(6)ノイズのように幅広いスペクトルであること(7)音の意味が自分にとって不愉快であること、といったところだろうか。
彼らの持ってきた防犯ベルの音はどうだろうとFFTにかけた。大きくて甲高くて(1)(2)(4)あたりが当てはまりそうだ。
ただ、物理的な条件より心理的な条件の方が大きな影響を持っているところが厄介なことだろう。
ピッコーン。
珍しい横断歩道のサイン音を聞いた。金沢では「カッコー」と「ピヨピヨ」だが、どこか回路か何かがおかしくなってしまったのだろうか。(新御影大橋から一つ金沢よりの交差点)
ボゥゥゥゥゥゥゥ・・・。
夜、どこからか低いうなるような音が聞こえてくる。低周波音のようでどうにも耳について気になる。何の音だか知りたくて外に出てみると、アイドリングをしたまま駐車している車の音のようだ。エアコンも入ったままのようで、時折エンジンの回転数が上がる。
このごろはちょうど暑くも寒くもないようないい気候だ。一体どういう意味があったのか知らないが、夜中や早朝のアイドリングはやめた方がよいと思う。
ホンホンホンホン・・・・。チキンチキンチキンチキン・・・・。
金沢市には単線の私鉄が走っている。市内を車で行き来すると時々踏み切りに引っかかる。今日はどうやら比較的新しい踏み切りに引っかかったようだ。
電子音で柔らかく響く音を鳴らしている。全体的な音の高さや単調なリズムはそのままなので踏み切りというサイン性は失っていないようだ。家に一番近い踏み切りは、古いタイプでベルをたたいて発生させているような音。
ブオー・・・・。ギャーギャー。
新大阪ホームで新幹線を待っていたら、他のホームに停車している新幹線のアイドリンクがかなり響く。低音で暑苦しい音だ。さらに追い討ちをかけるように、駅員のアナウンスがギャーギャーと歪んだ大音量で、異常にうるさく感じてしまった。
クォンクォンクォン・・・・。ブォー・・・・。カタンカタン、カタンカタン、カタンカタン・・・・。リリリリリ・・・・リリリ。ガシャ、ジャラン。チチチチチッ。パタパタパタ・・・。
デザイン学会のため岡山県立大に行く。岡山県立大は岡山から吉備線というローカル線の服部駅の目の前だ。発表が終わって電車に乗ろうと駅に向かうと踏み切りがなり遮断機が下り始めた。どうやら、この電車には乗れそうもない。
警報音は電子的に発生させているようで、カンカンカンという明瞭な響きではなく、少しこもり気味でビート(周波数の近接した2音が存在するときに生じる音の大きさの周期的なゆれ)が感じられる。遮断機が下まで降りると踏み切りの警報音は一回り小さくなった。
吉備線は単線でディーゼル機関車。発車するとき、電車とは違うエンジンのうなりをたてながら発進するのが耳新しく感じてしまう。線路際の草むらから虫の声が聞こえる。もう晩秋なので虫の声も少なく弱々しい。
切符の券売機が大学の食堂の食券販売機のようなもので、ボタンを押すとがしゃがしゃと何ともメカニカルな音を立てる。おつりは、一気にぽんとはじき出るように帰って来るので音も勢いがよい。
鳥が急に警戒の声を上げ、何十羽もの鳥(スズメ?)が飛び立った。一体何に驚いたのだろう。時折車が通るくらいで、とても静かでのどかなのに。あ、またスズメ達が騒いでいる。喧嘩でもしているのだろうか。(服部駅ホームのベンチにて)
プー。
岡山駅で切符を買おうと券売機の前に行くと、プーと音が鳴った。この音はどんな風に役立っているのだろう。きっと、目の不自由な人が券売機の前に来たということがわかるようにしてあるのだろう。券売機をよく見てこなかったが、点字ブロックによる誘導とか、表示の点字化など、それなりの対応はしてあるのだろう。
といいつつ、晴眼であるはずの私が間違えて切符を買ってしまった。なまじいろいろな情報が目から入ってくるだけに惑わされてしまった。
・・・・。
今日の夕方、外に出て気がついた。虫たちが鳴いていない。もう、秋が終わり、冬がすぐそこまできているという証しだろう。そういえば、もうかなり寒い日が多い。今日も1日中10℃台前半なのではないか。