サワサワ

小説と写真集の融合した本。著者はサウンドスケープ研究者。 冒険小説と帯には記されているが、ミステリーでもあり、ファンタジーでもあるような独特な印象だ。何よりも通奏低音のように、文章の中にバリの町のいろいろな音が大きくなったり小さくなったりしながら響いているのが特徴である。日本の音空間とは明らかに異なるその音は異空間へと我々を運んでくれる。バリの実在の町を題材にして、サウンドマップ(音地図)を作成するためのシートが付録についてくる。