ゲノム生物工学研究所

Genome Biotechnology Laboratory

所長挨拶

ゲノム情報を使って社会に役立つ研究を

写真欄
教授・農学博士
町田 雅之
 ゲノム情報は、2000年初頭の次世代型シークエンサー、近年の一分子シークエンサーの登場により、それまでの1万倍以上の解析能力が達成されました。また、マススペクトルによる高感度で高速な化合物・ペプチドの解析など、情報の規模だけでなく多様性も拡大してきました。これにより、様々な環境での細胞の生理状態の解析、有用な性質を引き出すためのデザインなど、生物機能を利用するための多くの手段を手に入れることができるようになりました。
 一方、細胞は小さな空間に閉じ込められたとても複雑なシステムであり、その内部で起こっていることの正確な理解、外部環境の変化に対する応答の予測は、大規模な情報を得ることができるようになった現在でもとても難しい課題です。そのため、生物情報を用いた予測と設計と並行して、その検証と最適化のための生物実験のデザインが、期待する生物機能を引き出すための鍵を握っています。
 ゲノム生物工学研究所では、このような生物情報を活用した研究にいち早く取り組み、情報技術、分析・センシング技術の開発、麹菌、納豆菌、環境中微生物による物質生産、新素材・タンパク質の創生や培養技術の開発など、食品、医療、美容、環境、農業など、産業に幅広く役立つ研究を行っています。また、麹菌が生産するαEGや質量分析を用いたカシミヤの鑑別などの実用化を進めています。これらの研究は、科学研究費補助金、文部科学省、経済産業省等からの公的な外部資金、企業からの委託費、共同研究などにより積極的に行われています。

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