研究テーマ紹介


 

新しい環境浄化材料の開発

-ゼオライト・層状複水酸化物(LDH)・ゼオライト/アパタイト複合体-

近年の環境問題として、生活雑排水由来の窒素・リンの増加による富栄養化問題や、福島第一原子力発電所事故に伴い飛散した放射性物質の回収やその後の処理問題が挙げられます。これらの問題を解決するために環境にやさしい新材料の探索及び開発を行っています。
 ゼオライトはアンモニア態窒素、LDHは硝酸態窒素とリン酸態リンの回収材料として、ゼオライト/アパタイト複合体はセシウム・ストロンチウムの回収・長期安定化材料として利用できます。

 

石川県内の環境水の水質調査

現在本研究所では、石川県内の河川・湖沼・沿岸域を対象に、溶存イオン種や栄養塩類など多項目を分析して、富栄養化などの環境汚濁が生じていないか評価を行っています。特に河川では浅野川、犀川、森下川、金腐川を中心に水質調査を行い、湖沼ではラムサール条約指定湿地である片野鴨池を対象に調査を継続しています。

 

人体に有害な重金属イオンを取り除くための新しい溶媒抽出法の開発

溶媒抽出をベースとした、環境に悪影響を及ぼす有害重金属を捕獲できる新しい化学的手法を開発しています。具体的な手法として、多段式溶媒抽出法(CPC)、表面を化学修飾した機能性吸着材料を用いる濃縮分離法、感温性溶媒を用いた新規溶媒抽出法の3つが研究の大きな柱となっています。

 

金沢市近郊の降水の定期水質調査と溶存化学種の分析・評価

降水は水質と大気環境の両方に関連しており、大気中の化学種を溶解することで降水の含有成分は建造物のコンクリートにも影響を与えています。本研究では金沢市近郊に降った降水を定期的に採集し、溶存している化学種の解析を行っています。さらに、降水中の溶存化学種は超低濃度なものが多く、ICP質量分析装置のような好感度の測定機器でも測定が困難な場合が多々ある。その様な超低濃度溶存化学種を測定するために、固相抽出法に基づく濃縮定量法の開発にも取り組んでいる。

 

コンクリートの化学的侵食およびけい酸塩系表面含浸材に関する研究

 インフラ等で使用されるコンクリートは環境中で徐々に劣化していきます。劣化要因にはいくつかありますが、その中の一つが酸や塩による化学反応を伴った劣化を化学的侵食と言います。化学的侵食は、近年特に下水道管の劣化原因として大きな問題となっています。その他、工場等からの酸性廃液や自動車から排出される大気汚染物質を含んだpH5.6以下の雨である酸性雨が原因となって化学的侵食が生じます。本研究では、化学的侵食のメカニズムを解明すると共に、劣化度合いと劣化因子との相関を調べるなど、化学的侵食に対する基礎的な検討を行っています。
 また、近年、コンクリートの補修・保全に用いられる表面含浸材の一つにけい酸塩系表面含浸材があります。この材料は、コンクリート表層に塗布することで表層を緻密化し、劣化因子の侵入を抑制する効果を付与するものでありますが、化学的侵食に対しては効果がないと言われています。しかしながら、本研究室の検討より、表面含浸材を塗布したモルタル材料では、硫酸による劣化の度合いが低減されており、けい酸塩系表面含浸材を塗布することにより、硫酸劣化に対する抑制効果が期待できることが示唆されています。そのため、けい酸塩系表面含浸材が有する耐化学的侵食性について、化学的観点から詳細な検討を行っています。

 

都市鉱山からの希少金属回収法の開発

近年、社会の高度化にともないレアメタルの需要が増加しています。しかし日本は金属資源に乏しく、金属資源の多くを海外からの輸入に依存しているのが現状です。そのため、廃棄される家電製品や電子機器といった工業製品、いわゆる都市鉱山からのレアメタルなどの有用金属を回収する方法の開発が急務です。本研究では、金属イオンの新規分離・回収法の一つとして、多孔質ケイ酸塩(メソポーラスシリカやシリカゲルなど)やセルロース繊維に、金属イオンと錯形成可能な官能基を修飾することで新規金属イオン吸着材を合成し、その機能評価を行っています。官能基の化学構造由来の錯形成能の違いを利用した独自の新規分離・回収法の開発に取り組んでいます。





金沢工業大学 バイオ・化学部 応用化学科 研究室ガイドでも研究紹介しています
藤永薫 研究室
大嶋俊一 研究室
渡辺雄二郎 研究室